
商品は山積みされている。
担当者におひとり様の購買個数制限はあるのか、確認したところ「ございません」。
そこで、はたと閃いた。
「これはパチンコ店の景品に使える!」
1000円で買って利益を度外視して1000円で販売するもよし、少し利益を乗せて1500円で販売するもよし。
ネット価格からしても1500円は、十分安い。
そこで、所轄に事の事情を話して、クーピーペンシル60色を定価よりも安く販売してもいいか、と事前相談した。
すると担当官からの返事は「よく考えてみろ」と意味深な回答だった。
景品を安く提供することは、集客の手段だと見做され、要は「やるな」ということだ。
小売業の基本は1円でも安く仕入れて、1円でも安く消費者に提供することで、それを企業努力という。
ところが、パチンコ業界に限っては、そういう企業努力も否定されてしまう。
市場価格より安く提供することが、「射幸心を煽ることにつながる」とでもいう見解なんだろうか?
警察庁の指導は特殊景品の交換率を抑えて、一般景品を持ち帰らすことだ。今もその方針は変わらない。
今年もある遊技組合の総会に来賓として出席した警察関係者は、訓示の中で、賞品の品揃えに言及。
「今年4月に調査を実施しているが、賞品の品揃えを確実に実践して欲しい。お客さんに魅力のある賞品の品揃えをお願いした」と述べている。
クーピーペンシルは魅力ある賞品の一つともいえる。小学生の子供がいる家庭では喜ばれる。
それをしかも、安く提供しようというのに、所轄の見解はNGだ。
1000円で仕入れたものを定価で販売するのなら、所轄に相談することもない。景品の持ち帰り運動を促進するホールの努力も空しい。
一般の小売業では定価販売していることの方が異常で、定価より安く提供することが当たり前になっている。
魅力ある商品が定価より安く販売されているから、消費者は購入するわけで、件のスーパーでは60色のクーピーが1000円で販売されているのを見つけた主婦層が、スマホのLINEを使って拡散したことから、瞬く間に商品は売れて行った。
当該ホールの店長は全国で、安く仕入れたものを定価より安く提供してお咎めのないホールがあるのか、聞いてみたくなった。

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