オープン前に会員募集するのは、どこでも見かける光景だ。500台規模の店舗に会員申し込みは事前に1500人以上となった。
同区に居住している人のみを会員登録可能にもかかわらず、オープン前に申し込みが殺到した。
オープン初日は、平日にも関わらず、100%稼働となるが、ホールのプロの目で見るとウチコ軍団が40~50人はいた。
ウチコ軍団がグランドオープン時に、大挙押し寄せるのは、これまたどこでも見かける光景である。
ホールは最初が肝心とばかりに、ウチコ軍団排除にかかった。
当分の間、出玉共有などはできない、との張り紙を出した。
カードの共有、出玉の共有、京楽機種などの撚り打ち、止め打ちなど見つけ次第スタッフは、役職に報告する体制を敷いた。
1回目はそれらの行為をやめてもらうように丁寧にお願いをするが、2度目からは見つけ次第、問答無用で出玉没収と出入り禁止の措置を取った。
ところが、ウチコ軍団も黙ってはいなかった。
オープンから数日、ウチコの親玉が警察を呼んだ。
「こっちはこれで飯を食っている」
「没収や出入り禁止は困る」
「交換させろ」
「補償しろ」と不満をぶちまけた。
明らかな不正を働いているわけではないので、所轄では事態を収拾することができず。そんな騒ぎが、連日のように1週間ほど続いた。
ウチコの軍団は、○都と神○の大きなグループだった。
この2グループ以外に、小さなチームやピンもくっ付いてきていた。
ホールも負けていなかった。スタッフがウチコ探しに目を光らせているので、すぐにバレてしまうことが多かった。
見つかったウチコは、悪態をついて会員カードを投げ捨てて店を出て行った者もいれば、一人でカードを10枚くらい持っていて、フリスビーの様にホールに投げる者もいた。
事務所で没収した会員カードが200枚以上にも上った。
地元民でなければ会員カードは作れないのに、どうしてウチコ軍団は大量の会員カードを持っていたのか?
方法はこうだ。
近所にスーパーがある。そこで主婦などを勧誘し会員カードを作らせて、そのカードを買い取る、というシステムを軍団は編み出していた。
再プレイは、1日1000玉が上限。そのため大量の会員カードが必要になった、という次第だ。
こうして、ウチコ軍団は去っていった。
それに伴って一番稼働が下がったのが海コーナーだった。
ただ、ウチコはやわではなかった。
一度会員カードを作った客が、また会員登録しようとしたので、注意しようとしたところ、住所と名前が違う。
特徴のある顔だったので、役職者も見覚えがあった。
ということは偽造免許証を使っている可能性もある。
この店を追い出されたウチコ軍団が向かったのが、近所で回す、と評判の店だった。
「いや~、ハウスルールで追い出すのにちょっとの間苦労しました」(店長)
軍団対策には顔写真付きの会員カードが必要になってきそうだ。

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