旧ブログ時代に、皆さんのホールの固定客の状況について書いたことがある。
もう一度おさらいするとこうなる。
分かりやすく考えるために、来店客全員がホールの会員と考える。
ホール運営を効率化する上で、欠かせないのは「顧客管理」である。
ここで店長や本部長クラスの役職者に質問したい。
答えられない場合は、何かしらの方法で明確にする事をおススメする。
1)固定客は・・・・何%?
2)準固定客は・・・何%?
3)未固定客は・・・何%?
会員カードで来店頻度を探ることが可能だ。
今から数年前、劇団四季の関係者から聞いた話だが、会員組織である「四季の会」の会員人数は16~17万人だった。
劇団四季はこの会員組織を有効に活用している。
会員には毎月、会報「LA HARPE」(ラ・アルプ)が送られてくる。オールカラーで写真も豊富。
年会費は2100円。
会員特典として次のものがある。
1)S席が1000円安く購入できる。
2)会報誌が無料で送られてくる。
3)チケットの先行予約(断然有利に良席が確保)ができる。
4)会員本人がチケットを購入する場合、非会員の分も会員料金で購入ができる。
5)会員だけのイベントに参加できる。※これについては後日解説するが、ホール運営に役に立つ情報がある。
人気演目だと会員の先行発売だけでほぼ100%完売になる日も出ることも。
私は常々、ホール会員には、会員が喜ぶ会報の制作を提案してきた。
大手ホール企業はぜひ会報を充実させて欲しい。
会報の中身は、劇団四季の情報が満載されている。
俳優の素顔を紹介したり、演目の楽しい見方を紹介したり、海外の演劇情報まである。
その中で注目したいのは、こども向けの内容が充実している点だ。劇中に登場するキャラクターなどの塗り絵コンテストがあったりする。
公式HPには子供向けのページもある。
24日の営業1号さんのエントリーにも書かれているが、劇団四季は子供の時からファンを育てている。
これをパチンコ業界に当てはめるとどうなる。
18才以上の人たちに有効な告知方法を業界で作り出せないものか?
話を劇団四季の会員管理に戻そう。
私がスゴイと感じたのは、会員の予約を演目ごとに管理しているのだ。
例えば2年前に東京で開演したウェストサイド物語は、このあと全国各地で公演した。
そして昨年秋から東京で凱旋公演をしたのだが、2年前に観劇した会員に向けて有効な内容のDMが届いた。
今のホールのDMはどうだろうか?
私はよく行くマイホールからは月に数回DMが送られてくる。
私の母や友人宅にも同じDMが送付されているが、ハッキリ書くと、誰も見ていない。
理由は大きなイベントの告知だけをうたい、内容が薄い。つまり魅力がないのだ。
他のホールのDMも同様。
これからは、新台入替や出玉に加えて、一味違う顧客管理が必要な時代になるだろう。
余談だが、業界が「あっと驚く!?」顧客管理を私と営業1号さんで1年後に提案したい。
幾つかのホール企業からは賛同を得ている企画で、これは業界のイメージを変えるだろう(大風呂敷をひろげてます・・笑)。
劇団四季の会員には、数カ月から半年先までのチケットを先行予約している。
例えば「キャッツ」のチケットは、現在5月30日分まで販売している。
この期間のチケットの販売初日は、昨年の11月9日だった。
特に人気席のS回転席は、ホトンド先行予約で売れてしまう。
S回転席とは、舞台と一緒の回転する席で、ここで一度観る事をおススメする。
半年先の公演には、どの俳優が出演するのかは分からない。
お客様が贔屓にしている俳優が出演している保証はない。
それなのにお客様は、半年先のチケットをなぜ購入するのか。
それは、お客様と劇団四季の間に、ある種の「信頼関係」があるからだ。
それは「公演内容の品質保証」だ。
この品質保証をホール運営に置き換えるとどうなるのか?
その答えを次回から続けたい。
つづく
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