A社の社員は表記の話題になった時、食事の箸を取るのも忘れるくらい聞き入った。
先日、パチンコ台は芸術品だと書いた。
A社の社員にも同じ話をしたのだが、彼らはまさかパチンコ台が芸術品だと思ってもいなかったが、この話で納得した。
パチンコ台は、自動車や液晶テレビと違い、パチンコ台によって内容が「違う」ということだ。
絵画は作者が制作した「絵」だ。
内容はそれぞれ違う。
パチンコ台も絵画と同じだ。
自動車はデザインにより形は違うが、基本的な構造は同じと考えてよい。
A地点からB地点へ人や物を運ぶ道具である。
パチンコ台は、11ミリの玉を弾く遊びだが、リーチ演出や液晶に映し出される映像は、その台の独自性がある。
これは芸術家が描く絵画に似ている。
自動車は細部まで追求したら、それぞれ独自性があると言う人もいるだろう。
しかし、自動車とパチンコ台では、その中の「ハード」と「ソフト」の割合が違い、その差は大きい。
だからパチンコ台は芸術品と評したのだ。
A社の社員は、他の産業の製品開発を学びたいと訪ねてきた。
その話を進めて行く過程で、上記の認識を共有する事が重要なことを皆さんもご理解頂きたい。
エアコンや冷蔵庫の一番のセールスポイントは、消費電力の低さ。
パチンコ台は違う。
自動車のセールスポイントは、燃費や安全性。
パチンコ台は違う。
パチンコ台のセールスポイントは?
先日質問した、製品のニーズの質問の意味がここにある。
メーカーがパチンコ台をホールへ販売する時、営業担当者はどの様なセールスポイントを押し出すのだろうか?
そこで私はA社の社員に質問してみた。
その答えは燃費や消費電力でもなければ、安全性や操作性でもない。
液晶内で展開される演出、役物の動き、玉単価や利益率…
ここで彼らが気づいた!
「我々の製品は、ホール企業に眼があてられているが、エンドユーザー=ホールで遊技するお客様には眼が向いていない」と。
だから「潜伏確変」や「ガセ潜伏演出」が生まれたのだろう。
最近、多くのユーザーが潜伏確変を否定し始めた。
当初、潜伏確変とは何か分からないファンが多く存在したことを考慮すると、随分前からこのシステムを否定していたファンが相当数いたと思う。
日本全国のパチンコファンは、与えられた遊技機を試して、それで好きか嫌いか決めるしかない。
この繰り返しが数十年続いた。
これが他の製造製品と違う大きなポイントだ。
パチンコメーカーから見る「ヒット作」と、ホールでの稼働のヒット作、ここに乖離が見られるのは、パチンコファン不在の開発があるからだろう。
つづく
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メーカー開発担当者へ贈る言葉・・・その⑥ パチンコ開発と他の製品開発との違い
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