パチンコ日報

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メーカー開発担当者へ贈る言葉・・・その①

知人の紹介でパチンコメーカーの開発担当(2人)と会食する機会があった。



便宜上、メーカー名を「A社」とする。



A社の開発方法は従来からあるパチンコ業界のやり方。その方法でファンに愛される機械の開発ができるかどうか、自問自答していた。



そこで、他産業での開発方法を知りたがっていた。



自動車や合繊、工業用ミシン糸メーカーで開発に携わっていた経験を買われ、私に白羽の矢が当たった。



最初に私が彼らに質問したのは「お客様が遊技台から離席するきっかけ」。



なぜ、こんな質問をしたかというと、これまでの経験から開発担当が自腹で1日10時間も遊ぶ人がほとんどいないからだ。



また、開発担当者の中にはパチンコが好きと言うよりも、パチンコの「開発」が好きな人が多いと感じることもある。



以前のエントリーで、パチンコメーカーの技術職の応募者が、前年の1.5倍になったメーカーの話をしたが、担当者によると彼らはゲーム業界へも応募している。



ゲームソフトはヒットすれば、10万本単位で売れる。最近では、Newスーパーマリオブラザーズwiiが発売直後から100万本を超えている。



ゲームとパチンコの開発がリンクするのは当然の流れ。あるメーカーは傘下にゲーム開発の会社を擁している。



そうなると、開発プロジェクトによっては、パチンコの開発が好きな人とゲームの開発が好きな人が呉越同舟になることもある。



この状態が何年か続くとパチンコファンと、メーカーの間に溝ができてくる。



話が横道にそれてしまった。さて話を最初の質問に戻そう。



「お客様が遊技台から離席するきっかけは?」



会食をしたうちの1人は、この質問には当たり前の答えしか書けなかった。



私はこの質問には口頭ではなく、紙に書いてもらった。



遊技客の年齢対象は18歳~90歳。では、年代別の構成比率はどうなっているか?



この質問にも2人は答えられなかった。



開発全員とはいわないが、自分の専門分野のことしか知らない人が多いのも事実。



開発の統括部門は、それらの統計を把握しているが、それを末端まで下ろしていないメーカーも散見される。



これはパチンコの開発担当者だけではなく、最近の若い技術者全般にいえることだが、人の立場や相手の気持を理解できない人が多くなっている。



これが「お客様が遊技台から離席するきっかけは?」に大きな影響を及ぼすことになる。



例えば、「激アツ!」リーチ。長い長いロングリーチ時間にお客様は期待を込める。



投資金額は既に2万円。



激アツでハズレたお客さんの気持を開発者はどう考えているんだろうか。



お客様にすれば一気熱が冷める。本当にショックを受ける。それで、その後5分位で席を離れる。



このケースは本当に多い。



また、確変潜伏がガゼだった時。



ガセとは分からないで、確変状態を信じて、確変に願いを込めてお客様は、その後数千円を投資する。



仮に4000円投資したとしよう。



4000円は半日分の日当に近い金額だ。



それをガセ潜伏状態へ投資した後の気分をどう思っているのだろうか。



そんなことまで気が回らない開発者が1人いたということは、パチンコメーカーの開発には、その何倍もいることになる。



その矛盾に気づいたのか最近のSANKYOは、2R確変や潜伏状態のない機械を投入してきた。



しかし、この間、どれだけのファンの心と財布を痛めてきたのか分かっているのだろうか?



そもそも潜伏は、お客様に「期待感」を持たせるために採用したもの。



それが今では、お客様の期待を裏切る行為となっている。



パチンコをあまりやらず、お客様の心理状態も理解できない開発者が今後も増えることだろう。



そうなると、ヒット作は偶然での産物でしかない。



こんな話をはじめて4時間が経った。



つづく



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