昔からの日報の読者なら元店長のホームグラウンドが分かれば、比較的見つけやすい。ヒントはオロナミンCの白いキャップである。
声を掛けてきた人もそのホールをホームグラウンドにしていて、オロCキャップの人を見かけたらいつか、声を掛けようと思っていた、という。
話し掛けてきた人は、6年前に業界から離れたホール店長だった。
36歳で店長に就任、6年間の店長経験をした後、業界を離れ今は親せきが経営する飲食店で店長として働いている。
前職を止めた理由は「給料に不満はなかったが、上のエリア長になっても仕事が面白くない」ことを挙げている。エリア長に上がれるタイミングで辞めている。
転職する場合、給料が前職より下がるのが一般的だ。当然給料は下がっているが、家族サービスできる時間が増えたことの方に満足している。
「1パチが主体になっている現状を考えると、これから業界は大きく飛躍することはありません。むしろ、高騰する機械代の手当てが大変になるばかりです。機械代を抑えるにはグループ化してそこで機械を回すことも必要になってきます。1円で稼働を上げるためには閉めてはいけません。業績を伸ばす考えよりも、現状維持がやっとでしょう」
パチンコ業界を離れた本当の理由は、業界に骨を埋める決心ができていなかったからだ。エリア長になっても仕事が面白くないから、と言っていたが、店長の仕事も面白味がなかった、という。
「本部の指示通りに動くのが店長の仕事でした。1円、4円のスタートもロケーションによって決まっていました。だから、自分がやった、という達成感がないんです。店長の仕事はおカネと施設と人の管理です。本部の指示通りにできる人間がいればいいわけです」
仕事の達成感がないというが、実はここが、ローコスト経営ができる肝でもある。
昔から同業他社の研究も行っていたが、あるホールの社訓ともなっている「利益を減らしても客は飛ばすな」を忠実に守っている。
稼働重視がいかに重要であるかを今各ホールは感じ取っているはずだ。稼働のない中で利益を取ってしまうことが、現状の客離れを招いている。そんなことは分かっていても、支払いは待ってくれない。
ホール組合の総会でスローガンとして「高コスト体質からの脱却」を念仏のように掲げているが、本当に脱却したいのか、と思ってしまう。1パチが主流になって久しいのに、スローガンだけで終わっているから業界は縮小の一途を辿る。

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