現在、大阪ではIR工事が急ピッチで進行しており、それに伴う新たな動きとして、パチンコ業界を巡る構想が水面下で浮上してきたということだ。
4月23日、大阪・夢洲で開かれた大阪IRの起工式では、大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長に加え、事業者である大阪IR株式会社のエドワード・バウワーズ氏(日本MGMリゾーツ社長)や高橋豊典氏(オリックス執行役)らが一堂に会し、鏡開きを行った。
開業は2030年秋を予定しており、大阪経済の起爆剤として期待が寄せられている。
この大阪IR計画は、大阪維新の会が主導してきたプロジェクトだ。しかし、維新の党勢には最近、陰りが見え始めている。直近のNHKによる世論調査では、維新の政党支持率はわずか2.6%にとどまっている。かつての勢いに陰りが見え始めていることは否めない。
そうした中で浮上してきたのが「大阪パチンコ特区構想」である。これは、IRが開業しカジノが本格的に稼働すれば、周辺の既存ホールに影響が及ぶことが予想され、そのダメージを最小限に食い止めるための「救済措置」として考えられたようだ。
構想の内容はパチンコ1玉4円、パチスロ1枚20円という上限を、特区内に限って緩和・撤廃し、上限の引き上げを可能にするというものだ。貸し玉料金が上がれば、売り上げが上がり、ギャンブル性も高まるという案だ。
しかし、これはにわかに信じがたい話でもある。貸し玉料金を引き上げただけで業界が活性化するというのは、あまりにも短絡的な発想である。仮に玉単価を上げたとしても、それに見合う機械性能や出玉設計が伴わなければ、客の支持を得ることはできない。
現行の遊技機規則や風営法の枠組みを考えれば、この「特区構想」が実現する可能性は極めて低い。加えて、世論の反発や行政的な調整の難しさを考えれば、単なる政治的観測、あるいは維新の求心力を維持するための“話題作り”の可能性もある。
カジノとパチンコという「二つの射幸性」を同一エリア内でどう共存させるかは、今後の大阪にとって決して無視できない課題ではある。
カジノが想定通りの成功を収めた場合、既存の遊技業界は確実に競争の煽りを受けることになる。5年先はあっと言う間だ。その時に備えた議論をすることは必要だろう。
ただ、大阪パチンコ特区構想は現実味に乏しい“与太話”である可能性が高い。しかし、その背景にある政治的思惑や業界再編のシナリオを探ることで、今後のヒントが浮かび上がってくる。
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