というのも、パチンコ・スロットは「遊技」と定義されているものの、実態としてはギャンブルに近く、世間的には“日本版ミニカジノ”と見なされることも少なくない。
だとすれば、同じギャンブル系の娯楽であるオンラインカジノも、すでにパチンコユーザーの間にそれなりに受け入れられているのではないか――そんな仮説を立てた。
検証のために、都内のホールで、20~40代のユーザーを中心に声を掛け、インタビューを試みた。対象者はホールから出てきた、いかにも“やっていそうな”層を選び、60人あまりに話を聞いた。
最初の質問はシンプルに、「オンラインカジノをやったことがありますか?」というもの。ところが、返ってきた答えは驚くべきものだった。「やったことがある」と答えた人は、まさかのゼロ。まったくの皆無だったのだ。
途中で気づいた。この聞き方では、「違法なことをやったことがあるか?」と尋ねているのと同じになってしまっている。相手も警戒するのは当然だ。そこで、質問内容を「オンラインカジノに興味はありますか?」に変更してみた。
しかし、結果は変わらなかった。興味があると答えた人もゼロ。まさかの“関心すらない”という現実に、仮説はあっさりと崩れた。
理由を聞いてみると、興味深い意見がいくつかあった。
「オンラインカジノって信用できないんですよ。絶対に運営側が操作してるでしょ」
「勝ってもちゃんとお金がもらえるか不安。そもそも日本じゃ違法って言われてるし…」
こうした声から浮かび上がってきたのは、「ギャンブルの健全性」に対する意識だ。決してパチンコ業界が全面的に信用されているわけではないが、実店舗があり、換金の仕組みも社会的に“黙認”されている点で、オンラインカジノよりはまだ安心できる、というのがユーザーの本音だろう。
また、もう一つ印象的だったのは、「自制の効きやすさ」に対する評価である。パチンコは営業時間が決まっており、負ける金額にもある程度の限度がある。ところがオンラインカジノは、24時間いつでもどこでもアクセスできる。そのため、際限なくおカネを注ぎ込んでしまうリスクがある。
「ギャンブル依存症問題を考える会」が依存症に悩む当事者やその家族を対象に実施したアンケートでも、公営ギャンブルの借金額が平均820万円だったのに対し、オンラインカジノ利用者の借金額は平均2053万円と2倍以上だった。
こうした背景を踏まえると、少なくとも今回インタビューに応じたパチンコユーザーたちは、「ギャンブルに溺れること」には一定のブレーキをかけているようにも見える。もしかすると、彼らは本質的には“真のギャンブラー”ではないのかもしれない。
「ギャンブルは好きだが、信用と制御が効かないものには手を出さない」
そんな現代のパチンコユーザー像が、現場の声から浮かび上がってきた。
※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。