料金2時間1850円
※酒飲み放題付き」——。
この懸垂幕コピーは、ある居酒屋の前に掲げられていたものだ。ユーモアと実用性が同居したこの一文は、物価高と小遣い減少に苦しむ中年サラリーマンにとっては、心を鷲掴みにされる強烈なメッセージとなっている。
2000円を切る安価でしっかり2時間、酒まで付き合ってくれる「預かり所」。家に帰っても居場所がない、けれど高い飲み屋には行けない——そんなお父さんたちが吸い寄せられるのも無理はない。
このコピーを目にして、あるホールオーナーが「これ、うちでも応用できないか」と思案した。ホールもまた、時間消費型の娯楽施設であり、何よりお父さんたちが数多く訪れる場所だ。
しかし、現実は厳しい。1850円で2時間も安心して遊べるようなスペックの台はほとんど存在しない。むしろ、あっという間に玉が飲まれてしまい、「2時間=数万円が飛ぶ」のが今のパチンコだ。
では、どうすればこの看板コピーのエッセンスをホールに取り入れることができるのか?
鍵は「時間を売る」という発想にある。これまでのホールは「射幸性を売る」ことに終始してきた。しかし、射幸性ではなく、遊技する時間そのものを売りにすることがこのコピーに一歩近づく。
1パチで1850玉を借りることができるわけだが、大連チャンがつづかない限り、これで2時間も遊べることはほぼない。低貸しメインのホールは1パチで利益を取らなければならないので、4パチ以上に回らないのが現状だ。1パチで1000円で100回以上回るぐらいの台が提供できれば、時間を売ることに近づく。
「長時間遊べるコーナー」と銘打つことで他店との差別化が可能になる。ストレスなく回すことで遊んだ満足感が得られる。
もう一つのポイントは「コピーのセンス」だ。「お父さん預かります」というユーモアある言い回しは、通行人の目を引き、興味を持たせる力がある。これを応用し、「パチンコ版・預かり看板」として、「仕事帰りの2時間、お預かりします」と笑いと共感を誘うコピーを店頭に掲げるのも効果的だ。
娯楽が多様化し、パチンコ離れが進む中で、価格と満足感のバランスを再定義することは急務だ。
「1850円で2時間、飲み放題」レベルの再現は、物理的に無理だ。
しかし、「1850円程度で満足感を与える工夫」や「時間消費型娯楽としての再定義」は、営業努力と工夫で十分可能だ。
つまり、玉が出る=満足という思考から、時間が過ごせた=納得という“脱・射幸性”の構造へ移行すること。それが、「預かる」というキーワードの本質的な応用となる。
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