
物語のあらすじはこうだ。
主人公ヤマトタケシは、幼い頃に自らの不注意で妹を交通事故に遭わせ、彼女に生涯残る足の障害を負わせてしまう。深い自責の念に駆られたタケシは妹の治療費を稼ぐため、格闘技の道に邁進し、ついにはプロレスラーとして名を上げる。しかしその成功にも満足せず、さらなる力と名声を求めて、彼はインドの奥地に住むという奇蹟の聖者・ダイバ・ダッタのもとへ旅立った。時はちょうど第三次印パ戦争の真っ只中。戦火のなか負傷したタケシであったが、年老いた聖者は彼の中に伝説の七色の戦士「レインボーマン」としての資質を見出し、弟子として迎え入れるのであった。
このような異国情緒とスピリチュアルな世界観に満ちた物語は、当時の子どもたちにとって未知への憧れをかき立てるものであり、そのホール関係者にとってもインドは「特別な地」として心の中に長く残り続けていた。
歳を重ねるとインドの興味はさらにインド仏教へと向かう。インドは言うまでもなく仏教の発祥の地である。しかし現代のインドでは、人口の8割をヒンドゥー教徒が占めており、仏教徒は全体のわずか0.7%に過ぎない少数派である。この事実は、仏教を文化的背景として持つ日本人にとって少なからず驚きだった。
今年、そのホール関係者はついに長年の夢であったインド旅行を実現させた。10日間かけてインドを一周するという旅程だった。
彼にとって憧れの地であったインド。しかし、そこに待っていたのは、理想と現実の落差、そして連続するカルチャーショックだった。
まず訪れたのは、聖地として知られるガンジス川。多くの巡礼者が沐浴に訪れる神聖な川であるが、その実態は想像を絶するほどに汚れていた。テレビや書籍である程度の予備知識は持っていたつもりだったが、実際に目の当たりにした光景は、彼の期待を大きく裏切るものだったという。「もう二度と行きたくない」とさえ思ったというのだから、その衝撃の大きさがうかがえる。
さらに、インドの都市部で目にした光景も強烈だった。街角のクリーニング屋では、作業員が口に含んだ水を霧吹きのようにホテルのユニフォームと思われるシャツに吹きかけている場面を目撃した。不衛生極まりないそのやり方に、彼は言葉を失った。日本では到底考えられない常識が、そこでは当然のようにまかり通っていた。
旅の途中で出会った日本人バックパッカーからは、「ペットボトルの水は絶対買ってはならない。中身はただの水道水。買うなら缶入りにすべき」というアドバイスを受けた。それほどに、日本人にとってインドの水は警戒対象であり、多くの日本人は下痢などの洗礼を受けるという。
そんな混沌としたインドの地で、彼にとって思わぬ「収穫」があった。それは、道端の露店で見かけた手打ち式パチンコ台だった。2台の古びたパチンコ台は、かつて日本で流通していたものと思わる。釘はところどころ折れ、代わりに普通の釘が打ち込まれていた。
職業柄、それを打ってみたが、当然ながら面白さは今ひとつだった。
しかし驚くことに、現地のインド人たちはそのパチンコに列をなし、熱心に玉を弾いていたのである。パチンコ台に貼られたメーカー名の漢字プレートを見て、店主が「中国製」だと誤認していたのには思わず笑ってしまったという。
店主に話を聞くと、今はパチンコ玉の確保が難しいという悩みを抱えているとのことだった。たった2台の手打ち式でもそれなりの集客力があり、インドにおけるパチンコの潜在力を肌で感じたという。
パチンコ日報でもパチンコのインド進出について何本かのエントリーを書いているが、将来的な市場としての可能性を確信したようだ。

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