集客を目的とした「特定日」を設けても、来店するのは出玉の期待値で動く専業ばかりであり、一般客の定着には結びつかない。ホールの利益を考えれば、専業の比率が高くなるのは避けたいところだが、設定を絞れば客足は遠のくというジレンマに陥る。従来のコンサルが提案するような、過去の成功パターンを踏襲する施策では、この問題を解決することはできない。
では、今のパチンコ業界で業績を向上させるには、どのような手法が求められるのか。鍵となるのは、従来の専業中心の営業戦略からの脱却と、新たな客層の開拓である。
まず、専業の割合を減らし、一般客を増やすためには、出玉だけに頼らない店舗づくりが必要である。現在の専業は、SNSや期待値計算ツールを駆使し、出玉の傾向を把握している。
これに対抗するには、特定日だけでなく、普段の営業でも「遊びやすさ」を重視したバランスの良い営業を心掛けるべきである。具体的には、高設定や甘い釘をピンポイントで用意するのではなく、幅広い台に程よい期待値を持たせることで、専業の集中を防ぐことができる。
専業比率を下げるには等価・高価交換営業を止め、昔の40玉交換へ戻すぐらいの大胆な交換率の変更も必要になる。パチンコ・スロットで食えないとなれば自然と足が遠のく。40玉交換に戻せば、一般客にとって遊びやすい環境が作れる。交換率の見直しは現状をリセットして、新たなスタートの鍵となる。
また、新たな客層としてゲーマーの取り込みも重要である。ゲーマー層は、戦略的思考や達成感を求める傾向があり、パチンコやパチスロのゲーム性に魅力を感じる可能性が高い。
彼らを取り込むためには、ゲーム性を強調した演出やミッション要素を取り入れた機種の導入が効果的である。そこには、従来のパチンコやスロットでもない新たなカテゴリーの遊技機が必要になることは言うまでもない。何故なら、現状の遊技機では彼らは興味を示さないからだ。
さらに、全国大会レベルのランキングシステムの導入、スマホアプリとの連携を図ることで、競技性を高め、リピーターとして定着させることができる。特に、eスポーツの流行を踏まえたプロモーションを行うことで、より多くのゲーマー層を惹きつけることが可能となる。
コンサルの役割についても再考する必要がある。単にデータ分析を行い、出玉調整のアドバイスをするだけでは不十分である。現場の状況を深く理解し、一般客が何を求めているのかを見極めた上で、総合的な施策を提案できるコンサルこそが、今の時代に求められている。

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