パチンコ日報

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大屋根リングの保存に、パチンコ業界が名乗りを!

何かと批判の多い大阪・関西万博であるが、実際には少しずつではあるものの、着実に入場者数を伸ばしている。目標とする総入場者数は2820万人。これは1日あたり約15万人の来場者が必要となる計算だが、開幕から1カ月以上が経過した現在、その水準には一度も達していない。しかしながら、確実に来場者数は増えている。

 

そのなかで、最も来場者の注目を集めているのが、万博会場の象徴的存在である「大屋根リング」だ。これは会場の中心をぐるりと囲む、1周2キロの巨大な木造構造物で、そのスケールの大きさに多くの人が圧倒される。

 

写真で見る限りではそんなに大きさを感じないが、実際にその場に立ち、見上げた瞬間に、その圧倒的な存在感と、木の温もりを感じる空間美に驚かされる。すでにギネス世界記録に「世界一の木造建築」と認定されており、評価も高い。

 

万博協会が行ったアンケート調査によれば、大屋根リングを訪れた来場者のうち、実に9割以上が「満足」と回答している。

 

当初は万博終了後に取り壊される予定だったが、今では「レガシー」として一部を恒久的に残すべきではないかという声が高まっている。

 

その検討案として現在浮上しているのが、2つのプランだ。ひとつは会場東口付近の200メートル区間をモニュメントとして保存する案。もうひとつは水上ステージ付近の600メートル区間を実際に登ったり歩いたりできる構造として残す案だ。後者は市民が体験できる空間として魅力があり、太陽の塔のような観光資源にもなり得る。

 

しかし、ここに大きな壁が立ちはだかる。それが「維持費」だ。特に600メートル案では防水・防腐といった定期的な改修工事を含め、10年間でおよそ17億円の費用がかかるとされ、さらに恒久的に残すためには100億円という巨費が必要になると試算されている。

 

これほどの維持費の負担を名乗り上げる主体が出てきていないのが実情だ。

 

それならば、ここで思い切って、パチンコ業界が名乗りを挙げてはどうか。17億円という数字は、年間にすれば約1億7000万円程度である。全国のホールやメーカー、販社、関連事業者が一丸となって業界全体で取り組めば、不可能な額ではない。すでに業界では、都道府県単位で地域福祉や防災への寄付活動を行っており、社会貢献への意識は高い。

 

しかも今回は、全国民が関心を寄せる万博の象徴的施設への支援である。もしパチンコ業界がこの大屋根リング保存に名乗りを上げれば、社会的評価は爆上がりだろう。

 

イメージ刷新の絶好のチャンスで、業界にとっても新たなステージに立つきっかけとなる可能性がある。

 

ギャンブル依存対策など、世間からの風当たりも依然として強いパチンコ業界だからこそ、こうした積極的な社会貢献が求められている。

 

大屋根リングという象徴を守ることで、業界の未来を切り拓く。そんな大きな夢を描くことがあってもいいのではないだろうか。