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ホール企業に集う個性派スタッフたち

ホール企業には実に多種多様な人々が応募してくる。年齢や経歴、価値観はさまざまで、その人たちの人生には驚くようなストーリーが詰まっている。今回は、そんな応募者の中から特に印象的な3人の事例を紹介しよう。

【嗅覚の鋭い元調香師・A子さん】

トップバッターはA子さん。彼女は元調香師で、その嗅覚の鋭さは人一倍だった。かつてフレグランス業界で活躍し、ヒット商品を生み出した経験もある。

A子さんには特技があった。それは、友人の匂いだけで誰かを当てること。調香師時代からその才能は際立っており、ほんのわずかな香りの違いも嗅ぎ分けることができた。

しかし、そんなA子さんが転職活動をする際に最も避けたかったのは、飲食業だった。食材や調理中の匂いが混ざる環境では、過敏な嗅覚が耐えられないからだ。

そこで彼女が目をつけたのが、時給の高さで魅力的だったホール企業。しかし、店長は面接時に彼女の話を聞いて難色を示した。

「今はホール内が完全禁煙とはいえ、喫煙室はあるし、お客様の服に染みついたタバコの臭いもある。それは大丈夫?」

A子さんは力強く答えた。

「遅刻もしませんし、頑張ります!」

その熱意に負け、人手不足も相まって店長は採用を決めた。しかし、現場に入ると予想以上の環境だった。普通の人には気にならないような体臭、衣替えで使われたナフタリンの臭い、それらがA子さんを容赦なく攻撃した。初日から体調を崩し、1週間経つ頃にはさらに悪化。結局、2週間も持たずに退職してしまった。

「いわんこっちゃない」

店長はそうつぶやいた。

ちなみに、A子さんは店長が朝食べたものを口臭で当てることもできた。
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【トランスジェンダーのB子さん】

B子さんは、戸籍上は男性だったが、性転換を経て女性になった。ホール企業への応募にあたり、店長は採用を迷った。

「見た目は女性だけど、トイレは男性用を使う。これを他の従業員がどう受け止めるか……」

そんな懸念を抱えながらも、最終的には採用することに。すると、彼女は7年間もホールスタッフとして働くことになった。誰よりも丁寧な接客と気配りができるB子さんは、客からの評判も上々だった。

やがて、ホールで出会った男性客と結婚。寿退社となった。しかし、性転換を受け入れての結婚生活は、わずか半年で終焉を迎えた。

離婚後、B子さんは再びホールに戻り、今も変わらず接客を続けている。
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【ゴミを愛する清掃スタッフ・C子さん】

C子さんは、ホールの清掃スタッフとして10年のキャリアを誇る。彼女の特異な点は「ゴミが大好き」なことだ。掃除好きという次元を超え、ゴミそのものに興味を持っていた。

「清掃スタッフは天職」と言い切るC子さんの働きぶりは、オーナーからも一目置かれていた。ホール内の掃除はもちろん、オーナーの個人宅の大掃除や、従業員の家の掃除まで引き受けるほどだった。

特に、3~4日経った生ごみの臭いを嗅ぐのが好きだったというから驚きだ。

「汚い仕事は私に任せて!」

そんな彼女の言葉通り、どんな汚れ仕事でも嫌がらずに率先して引き受ける。ある日、ホールで高齢の客が失禁してしまった際も、誰よりも早く動き、後処理を進んで行った。

「貴重な戦力だよ」

店長はC子さんをそう評価している。
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A子さんの採用には戸惑いや迷いがあり、その通りの結果になったが、結果的に企業にとってプラスとなるケースも少なくない。これからも、ホールには個性豊かな人々が集い、さまざまな物語を紡いでいくことだろう。



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