パチンコ日報

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猛暑とエアコンとホール~年金生活者の静かな攻防

6月、日本列島は梅雨入りと同時に、例年にない暑さに見舞われた。今年もまた、昨年に続いて記録的な猛暑の到来である。

とりわけ17日は、各地で6月としては異常とも言える気温を記録した。午後3時時点での最高気温は、山梨県甲府市で38.2℃。これは6月中旬として観測史上最も高い値であり、もはや人間の体温を超えている。

他にも、千葉県市原市牛久で37.1℃、福島県いわき市小名浜で34.5℃と、全国の各地で6月としての最高気温を更新。35℃以上の猛暑日地点、30℃以上の真夏日地点はいずれも今年最多となった。

このような異常気象の中、テレビやネットでは「暑さを我慢せず、エアコンを積極的に使用しましょう」と熱中症対策の注意喚起が繰り返し流される。しかし、すべての人がそれを素直に実行できるわけではない。とりわけ、限られた年金で生活している高齢者にとっては、エアコンの使用がそのまま光熱費の負担に直結するため、簡単にスイッチを入れるわけにはいかない。

そんな中、避暑地の一つとして評価されているのがホールだ。冷房が効き、椅子に座っていられる場所として、地域によっては図書館やショッピングモールと並んで、ホールも「無料の冷房スポット」として認識されている。

パチンコ日報では2年前から、熱中症対策としてホールで涼むことを推奨していた。これに呼応するかのように全日遊連も昨年「酷暑避難場所ポスター」を作成してクーリングシェルターとしてホールを使うことを呼び掛けている。



そうした呼びかけが浸透してきたのか、最近は休憩椅子に座れず、仕方なくパチンコ台に向かう高齢者もいる。ただし、彼らの目的はあくまで「涼を取ること」であり、パチンコではない。

彼らがとる行動は、台に座り、上皿に玉を出すだけ。そして、そのまま一切打たずにじっと座っている。エアコンの風に当たりながら、何もしない。ただ静かに時間が過ぎるのを待つ。

ホールの側からすれば、当然ながら玉を使って遊技してもらいたいところだが、高齢者としてはできるだけ出費を抑え、ただ涼しさだけを得たいという切実な事情がある。

こうした構図は、言わば「冷房代を節約したい年金生活者」と「売上を求める営業ホール」の静かなせめぎ合いだとも言える。

もちろん、ホールが好意的に受け入れているケースもあるが、本音では「座席を埋めるだけの客」として不満を抱く声もある。特に土日や新台入替日など、稼働率が上がるタイミングではなおさらだ。

とはいえ、このような状況は一概に否定されるべきものではない。ホールは地域密着型のサービス業でもあり、本来は「居場所」の一つとしての機能も持っていた。気軽に立ち寄れて、誰でも受け入れてくれる空間。そんな役割が、猛暑の中であらためて再評価されているとも言える。

この先、ますます高齢化が進む中で、ホールの存在価値は「娯楽施設」から「地域の避難所」や「憩いの場」へと変わっていくのかもしれない。冷房の風に当たる静かな午後、その姿は、いまの日本社会の断面そのものである。



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