パチンコ日報

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パチンコを止めたら、人生が歩き出した

Aさん(60代)は、高校時代からの筋金入りのパチンコマニアだ。定年退職後も週に2~3日は前職のアルバイトを続け、その僅かな息抜きとしてパチンコを打ち続けていた。

もともと東京近郊の家賃9万円の賃貸マンションに住んでいたが、両親の他界を機に2年前、港区にある両親所有のマンション(築40年)へ引っ越した。家賃はなくなったものの、管理費として月2万5000円が発生したが、経済的には随分と楽になった。

港区へ引っ越してからは、周辺のホールを訪ね歩いたが、いずれも思うような出玉の店は見つからなかった。同僚の勧めで千葉・行徳のホールまで遠征したこともあったが、成果はなかった。

「もう本当に、出している店がない。等価交換じゃ勝てないよ。1日2万円負けると1カ月は引きずって後悔した。パチンコを止めたらストレスがなくなったよ」と苦笑まじりにAさんはそう振り返る。気づけばこの1年間、パチンコから遠ざかっていた。
 
パチンコを止めたことを奥さんには伝えていなかったが、寝言でパチンコをつぶやかなくなったので、薄々気づいていたようだ。

しかし、パチンコを止めるとAさんの時間を持て余すようになった。そこで始めたのがおカネのかからないウォーキングだった。港区には運河や緑道をつなぐ絶好のウォーキングコースがあり、100キロの巨漢だったAさんは一念発起。1時間ほど歩き続け、1年で体重は見事20キロ減少。体が軽くなると、心も前向きになった。

成果はそれだけではなかった。ある日、シーズーと散歩していた若い女性と目と目が合ってすれ違いざまに「こんにちは」と声をかけたのが、出会いの始まりだった。
 
何度か顔を合わせるうちに、「かわいいワンちゃんですね。実はうちも昔、シーズーを飼っていたんですよ」と話しかけた。ワンコきっかけで会話が弾むようになり、ある日、近くの自販機で飲み物を買って「よかったら」と渡した。

港区女子。その美貌とスタイルから「モデルさんですか?」と聞いたところ、「仕事はホステスです」と笑顔で答えた。年齢は27歳であることが判明した。

さらにAさんは意を決して「一緒に歩きませんか」と誘ったところ、警戒することもなく、あっさりと承諾してくれた。

それ以来、週に2回ほど、一緒にウォーキングするようになって2カ月が経過した。お互い無理のないペースで、世間話をしながら歩を進める。その時間が、Aさんにとって新しい生きがいとなった。生活に張りが出て、外に出るのが楽しみになった。

「もしあのままパチンコを続けていたら、こんな出会いもなかった。パチンコを止めたご褒美かな」とほくそ笑むAさん。

人生には、意外なところに転機がある。パチンコを止めたことで始まった、Aさんの新しい物語は、まだまだこれからも続いていく。


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