最初は3人共負けたが、そのうちの1人(兄の息子)は「面白い! また明日も打ちたい」と1人でホールへ通うようになり、9万円分のTUCの特殊景品を持ち帰ってきた。その後もAKBの台で1万6000円の投資で3万8000円分の特殊景品を持ち帰ってきた。しまいには「中国にあったら絶対に流行る」と太鼓判を押した。
中国へ帰っても寝ても覚めてもパチンコのことが頭から離れない。ついには中古台を中国に送ることはできないかと、電話をかけてくる始末。日本へまた行けるようになったら、真っ先にホールへ行くことを思い描いていた…。
そして、3年8カ月の時を経て遂に夢が叶う時が来た。
9月中旬。その家族がまた来日した。中国人の奥さんの兄の息子がパチンコに嵌っているわけだが、家族は観光地の温泉旅行を楽しむ中、彼は10日あまりの滞在期間、毎日ホール通いをするために来日した。軍資金は50万円。中国にいるときは、YouTubeでパチンコのことを徹底的に研究した。
夢にまで見た中国人がパチンコに再会できた一方で、大のパチンコ好きのAさん(60)が、きれいさっぱりとホール通いから足を洗った。
で、何に嵌ったのか?
それは裏カジノだった。
紹介制で今年の2月から営業をスタートしているその裏カジノは、人里から離れた倉庫の中にある。バカラなどのテーブルゲーム、ルーレットの他、パチンコ・スロットだけで55台もあるというのだから、相当な規模であることが分かる。人里離れた場所にクルマが多く止まっていたら警察から怪しまれるので、送迎している。
パチンコのレートは1玉10円で、返しは5円。換金率は悪い。
しかし、その人は7月に行って以来、すでに10回以上も通っている。
嵌る理由は何か?
「とにかく、回る。すぐに満タンになるので手を放すぐらい回る。回らないストレスが全くない。1000発出たら5000円。4パチ等価なら4000円。回らない等価よりもよっぽどこっちの方が楽しい。交換率は悪いが回るので面白い」と絶賛する。
スロットは1枚50円の25円交換だが、いずれも満台で空き台を待つ客がいるほどの盛況ぶりだ。
一番勝った時で10万円ほどだが、10回以上通って負けた金額は3万円ほど。裏カジノなのに薄利多売営業であることも分かる。
「ストレスがないぐらい回れば、交換率が悪くても面白い」
これをパチンコ業界はどう受け止める。

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