国はそこまでパチンコ業界からむしり取ることはしないだろう、と思っていたら甘い。グレーゾーンでコテンパンに痛めつけられた消費者金融業界という反面教師がいる。
消費者金融業界の大半はグレーゾーン金利で貸し付けていたのだが、最高裁が2006年1月にグレイゾーン金利は違法という判断を下したことにより、過払い金利の返還請求訴訟が全国で急増し、大手4社だけでも返還費用は1400億円に上った。
「パチンコ業界にも3店方式や釘調整などグレーな部分が沢山ある。そういう意味ではサラ金業界とよく似ている。似ているという意味では客層もかぶっていた。パチンコで負けた客がサラ金からキャッシングしていたが、総量規制で主婦が借りにくくなってパチンコにも影響が出ていた」(同)
これは指摘されると業界はぐうの音も出ない。そんな批判を受けながら店内に銀行ATMを設置しているホールも厳然とある。借りたカネではなく、自分のおカネで遊ぶのだから文句言う筋合いはないが、そこまでホールがおカネを使わせるお膳立てをしなくてもいいのではないだろうか。
業界が品行方正にやっていたら、今のようにパチンコ業界がバッシングされることもなかったはずだ。
にもかかわらず、業界にはメーカーの姿勢も大いに問われることがある。
それは9月12日に日電協が発表したサブ基板の方針だ。今後、AT・ART機のナビゲート機能などの出玉性能に関わるサブ基板のプログラムをメイン基板に移行していく、ということだが、これこそが日電協が警察庁、保通協の信頼を失うことになった日電協のモラルだ。
メイン基板には未だに8ビットのZ80が使われている。筐体に液晶が搭載されるようになると、8ビットの容量には限界があった。そこで日電協は今から15年前、映像や音による演出で遊技性を高めたい、という理由で映像や音を制御するためだけのサブ基板を警察庁に認めてもらった。
サブ基板は出玉性能には一切関わっていないものなので、保通協へは資料を提出するだけでサブ基板は検査対象外となっていた。
AT機はサブ基板でアシストすることで出玉が増えるようにしていたわけだから、明らかに紳士協定違反である。パチンコに比べてスロットの適合率が極めて低いのは、「裏をかく」メーカー体質によるものなのかもしれない。
メーカーもニーズの下にやっているので、さほど罪悪感もない。
こういう業界だから政府・自民党ももっと税金を取れ、ということになる。
メーカーもホールもここらで、頭を切り替えなければ、サラ金のグレーゾーン金利の禁止と同様な措置を取られてしまう。

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