規則改正をすることなく、今後、AT,ART機は事実上、作れなくなる。作ったとしても普通の機械になるだけで、1万枚、2万枚を超える出玉は期待できない。
警察庁から保通協に対して、9月16日からの試験持ち込み分から、スロットの出玉の下限試験(55%)を行う場合、すべて順押しで、アシストを無視するように指示があった、という。
これによってどういうことが起きるのか?
「下限試験で、逆に『出ない』、『当てない』打ち方をすると、今のAT,ART機は総崩れです。当てなさい、と信号は立っているのを外したら、下限試験は思いっきり引っかかります。下限出玉率は10~20%ぐらいではないでしょうか。これまで保通協もメーカーも上限(120%)の方ばかりに気を取られていましたが、下限は盲点です。これは規則を変えることなく、AT,ARTを作れなくする規制です」(スロットメーカー関係者)
保通協試験には長時間試験では17500ゲーム回して120%を超えない、中時間試験では6000ゲームで150%を超えない、短時間試験では400ゲームで300%を超えてはならない、という規定がある。
機械の試験は射幸性の試験でもあるため、メーカーがいかに上限出玉率をクリアするかに腐心していたことは想像に難くない。
AT,ARTに規制が入る、という話は数年前から出ていた。事故待ちとはいえ、2万枚出るような機械も現存する。
警察庁としても高純増AT機を作るスロットメーカーに「激おこぷんぷん丸」状態だった。
ただし、AT,ARTが作れない、という意味ではない。実際、各メーカーは開発中だった機械もあり、下限出玉率を55%以上になるように設計変更をしている真っ最中だ。
「順押しで下限55%をオーバーするように設計すると純増1枚強が精一杯ではないでしょうか」(スロット開発担当者)
そんなAT,ARTを作ってもホールは買ってくれない。
5号機の初号機時代まで逆戻りする感覚で、どこまでスロット市場が落ち込むのかは想像もできない。
スロプロの反応を聞いてみよう。
「AT,ARTに依存しています。AT,ARTは設定判別が複雑なんですが、事故待ちがあって万枚以上が期待できる。すべてAタイプになると設定判別も比較的簡単なので、打ち子が増えると思います。Aタイプだけになったらハローワークへ行く準備もしなければなりません」
その一方でAタイプメーカーの関係者はこう話す。
「ATが規制されることは業界にとってはいいこと。今の機械はきつすぎてお客さんはどんどん飛んでいっています。ノーマル機が増えることで、集客にもつながります」
規制が強化され、ギャンブル性がそぎ落とされ、遊びやすくなることで新規客が増える、とポジティブに考え方を切り替えるしかない。

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