総付け景品の上限額として、取引額が1000円未満のものに対して、景品額は200円と定められている。
取引額が1000円を超えるものは、取引額の20%以内と定められている。
例えば、取引額が2500円の場合は500円まで、1万円なら2000円までの景品をプレゼントすることは、景品表示法ではかまわないことになっている。
業界では射幸心を抑制する意味合いも含めて、月1回、200円まで合意した経緯がある。
ところが、のど元過ぎれば、熱さを忘れるではないが、200円という価格帯に不満の声が挙がり始めている。
200円ではジュースを配って終わり。お客の印象にも残らないからだ。
「月1回ではなくてもいい。3カ月分をためて、600円の景品ならインパクトのあるものが配れる。あるいは年1回でもいい。その方がド~ンと迫力も出る」(店長)
さっそく、この思いを組合会議でも諮ってみたが、反応は極めて薄かった、という。
店長の気持ちも分からなくはない。200円の総付け景品をもらっても喜ばないお客さんも少なくない。どうせ配るのなら、お客さんに喜ばれるものを配りたいが、200円という価格帯では限界がある。
「今やっていることは、ただ、配っているだけ。営業の役に立ち、効果のあるおカネの使い方をしているようには思えない。それなら、商品の選択幅も広がる500~600円のものを配り、集客効果につなげたいです」
パチンコが風営法で縛られていなければ、そんなこともできただろうが、昔は所轄によってはおしぼりを配ることすら禁止した例がある。
理由は射幸心を煽る。
この一言で片づけられたらホール側は、一切、反論できない。
この店長は常連客に、もし、500円の総付け景品があったら、何が欲しいか、と聞き取り調査を行った。
その結果、ダントツの1位はタバコだった。
タバコも値上がりしているので、欲しい景品の一つであろうが、ホールに置いている景品以外のものでなければ、総付け景品としては認められていない。
次がジュースの引換券だった。
理由は、飲みたい時に飲みたい。ごもっともな理由だ。しかし、引換券は有価証券に当たるため、これもダメ。
「今、いるお客さんに配っても集客にはつながらない。来ないお客さんを呼ぶには500円ぐらいのものを配りたい」
店長の本音が垣間見えてきた。
左様に現場の店長は日夜、集客のことで頭は一杯だ。

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