「純増3枚はお客さんも十分納得してくれている。1枚台では納得しない。われわれはルールの中でスロットを面白くしてきた。自分が打つ場合はどんな機械がいいかを想定して作ってきた。他社のARTも参考になった。過激な機械を作らないとお客さんはおカネを入れてくれない。ヘビーユーザーには必要な機械だった。若い人もARTは追っかけてくれた。悪気があって高純増機を作ったわけではない」と吐露する。
先日、あるチェーン店を8店舗視察した。平日だったがスロットコーナーで、8店舗とも一番賑わっていたコーナーはハナハナシリーズのコーナーとジャグラー、パルサー系だった。スロットの強い店舗ではそこそこついていたが、押しなべてART系のコーナーはどの店舗も閑散としていた。
つまり、メーカーが競って開発した純増3枚の機械は、ヘビーユーザーを満足させるものだったかも知れないが、現実問題として、きつい機械にはついて来れないのである。
日工組メーカーに比べると日電協メーカーは、組合の生い立ちを見れば分かるように、モノづくりの考え方が違う。それがサブ基盤問題だ。
サブ基盤は本来演出に特化したものとして認められたのに、抜け穴を見つけて出玉に関わる演出を行ったのがAT,ARTだった。
保通協の適合率を見れば一目瞭然だ。直近の8月は、パチンコは結果書交付48件に対し適合39件、適合率81.3%だったのに対して、スロットは結果書交付49件に対し適合21件、適合率42.9%であった。
スロットの適合率が低いのは、未だに抜け穴を模索していることの表れか?
「スロットも自主規制という名の下にルール作りをやってきたが、日電協メーカーは上から強制的にいわれないとやれない体質がある。ガチガチにしてもらってそれに合わせた機械を作るしかない」とは日工組系のスロット担当者。
会社の命令は売り上げの上がる機械を作ることが多い。その結果が高純増枚数競争に向かわせた。
「ARTや確変そのものがインチキ、という開発者もいる。スロットは純粋なAタイプでやればいい。5年後を考えて、良かった、といわれるのが僕らの使命。今度こそ面白い機械を作らないとスロットだけでなく、パチンコも終わる」(同)
開発現場のモチベーションがあるうちに、トップは射幸性からゲーム性に舵を切らないといけないことは明白だ。

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