無承認変更は確かに重大な風営法違反だ。
これまで、無承認変更といえば、裏基板と差し替えるような事件で、遊技機の性能を大きく変えるような事案が問題になっていた。即刻営業許可取り消しになるような事案である。
今回は釘の打ち替え作業を変更承認申請を出さずにやってしまったのだが、「書類送検」という言葉の響きが、重大さを際立たせる。
今回は「釘」がポイントになっているとはいえ、この程度の違反では行政処分で終わるものだ。
普通の部品交換の無承認変更なら指示処分程度だろうが、警察が一番神経を尖らせている釘に関することなので営業停止は免れないかも知れない。
それにしても、警察が書類送検するということは、軽微な違反を刑事事件に持っていこうとするからには、そこに至るまでの何らかの原因があるはずだ。
刑事事件の大まかな流れはこうだ。
捜査→起訴→公判→判決→刑の執行となる。
犯罪が犯罪として処罰の対象になるためには、捜査機関が犯罪の存在を知り、必要な証拠を集めて、被疑者の身柄を確保する必要がある。
逃げも隠れもしない、証拠隠滅の恐れもない場合は、身柄を確保する必要もない。
警察は犯罪の捜査をしたら原則として必ず検察官にその捜査についての資料、証拠などを送らなければいけない。
これを「書類送検」と呼んでいる。書類(証拠物、捜査資料、捜査報告書などなど)を検察官に送致することが書類送検である。
今回、無承認で釘を打ち替えたことが、重大な犯罪かどうかということなるが、書類送検するということは、「微罪処分等で済ませることのできない事件」だった、ということになる。
では、なぜ、釘の打ち替えを無承認でやったのか?
新聞記事によると申請から承認まで1週間はかかる。店長は「手続きに手間がかかり、パチンコ台が使用できずに売り上げに影響が出るためにやった」と供述している。
理由は分かったが、では、誰がこれを警察に通報したか?
お客説やら内部告発説があるが、定かではない。
後は検察がこの書類を見て、起訴するか不起訴か、起訴猶予かを判断することになる。
刑事事件とは別に行政処分は下される。
無承認であることはいかんともしがたいが、釘1本の打ち替えで営業停止になったらたまらない。
釘1本の打ち替えも遵法精神で。

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