それが、ここ最近登場してきたスマホのソーシャルゲームの台頭によって、苦境に立たされている、という。
企業の寿命に30年説というのがあるが、それを家庭用ゲーム機業界と重ね合わせる人もいる。
家庭用ゲーム機市場に異変が起こったのは、無料のオンラインゲームの登場だった。ゲーム機本体やゲームソフトも不要で、インターネット環境とパソコンがあればできる。
そういう流れの中で、スマホの登場である。
スマホは手のひらに収まるパソコンを持ち歩いているようなものだから、ユーザーがどんどん家庭用ゲーム機から遠ざかるのは当たり前だ。
家庭用ゲーム機の事業モデルそのものの見直しを迫られているわけだが、スマホを逆転するだけのものは、今のところ見当たらない。
パチンコ業界の歴史は大正末期からスタート。戦後の昭和23年、パチンコの神様といわれる正村竹一氏が正村ゲージを発明して、名古屋からパチンコブームが全国に飛び火した。
パチンコは規制と緩和の歴史の中で生きながらえてきた。
正村ゲージ以降をパチンコの歴史とすれば、すでに65年経っている。
企業・業界30年説に倣えば、パチンコ業界は2度生まれ変わっていることになる。
その2度目の生まれ変わりの転機となったのが、昭和55年に三共から登場した「フィーバー」であるが、これから32年が経過している。
パチンコ業界が60年以上も続くのは、人間が持つ射幸心をそそる遊びだからである。
30年周期説からすると、パチンコ業界は終焉を迎えていることになる。
フィーバーは強烈な射幸性によって業界を再生したが、今、ここでより射幸性の高い機械が認可されるわけもない。
今、地方のホールオーナーたちが怯えているのは、大手の進出だ。老朽化してきた今のホールで、粗利、稼働が低下しながらも何とかやっているが、この青息吐息の状況で、大手が出店した場合、それに対抗して、店舗を全面改装することへの不安である。
建物から設備を刷新しても、売り上げが倍増するわけではなく、残るのは借金だけだ。
未来永劫業界が発展するのなら、投資意欲も沸いてくるが、この先何年続くか分からない迷いが投資意欲を削ぐ。
「人件費の削減のために各台計数機を入れたけど、地方は出玉が見えないとお客さんは納得しない。それで失敗したホールが結構ある。その失敗を見ると動けない」
元々、稼働がないホールが導入すれば結果は目に見えていた。
これから改装期に入っているホールオーナーの苦悩の日々は続く。

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