パチンコ日報

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年配の固定客に支えられることの危険性

関西ローカルの「魔法のレストラン」でも紹介されたことのあるナンバのスナック「蟻」だ。



画面の左側に写っているのがこのスナックのママだ。





大阪万博ではコンパニオンをやっていた。





この時が25歳というから、現在のお歳は68歳。



26歳で大和実業が経営するグランドパブのママに。そのわずか5カ月後には独立してラウンジを始める。この時代は日本の景気が右肩上がり。たいそう儲かったようだ。



その後、店の形態は時代と共に変わって行くが、電話番号を変えたくない、との思いから、この界隈で移転している。



43年前のラウンジ時代の客が、今でもこのスナックに足を運ぶ、という。



このお歳でも客の名前は一発で覚える。2回目からは名前で呼ぶ。さすがにプロだ。



関西で発行しているグルメ雑誌ミーツで取り上げられたことから、テレビも取材に来るようになった。



店は昭和の香りが色濃く残るカラオケスナックだ。ママの年齢が年齢だけに、写真を見ても分かるように、会社をリタイアした60~70代が中心だ。



ナンバで飲んだ時の2次会ではよく利用している。1時間飲み放題、食べ放題、歌いたい放題で1人2000円。



50代以上なら落ち着く雰囲気にリピーターになる。



カープがCSで阪神を2連勝で撃破した日に行って驚いたことがある。



蟻の客層とはかけ離れた若者の姿がチラホラ。



若者と意気投合して話を聞くと「一人で歌えるカラオケスナックを探していたら、この店がヒットしたんですよ。なかなか雰囲気がいいです」とすっかり気に入った様子。



これはママの作戦勝ちだった。



「6月、7月、8月は本当に暇で、家賃も払えないほどでした。これまで来ていただいた常連さんが来られなくなったんですよ。若いお客さんに来てもらうためには女の子も25歳以下を雇うようにしたら、若い新規のお客さんが来るようになったんですよ」



これ、今のパチンコ業界とオーバーラップする。



今来ているお年寄りのお客さんは、病気や寿命でやがてはパチンコ店から足が遠のく。



小さいスナックだったから常連の年配客が来なくなると、それは一気に業績に響く。



このスナックはお客のカネが続かないことが、客足が減った理由ではない。行きたくても足腰が立たなくなる。



客そのものの寿命だ。



何もテコ入れしなかったら、固定常連客は櫛の歯が抜けるようにいなくなっていく。



そこでママは若い新規客を開拓するために、若い女の子を入れた。効果はそれなりに出てきた。



パチンコ業界も若い客層を開拓する努力を怠れば、テコ入れ前のスナックの状況に陥る、ということだ。



業界トップはその辺のことを認識しているが、掛け声だけで具体的に行動を何一つ起こしていない。



若者が来たくなることをすればいい。



スナック蟻に行けば、その辺のヒントを感じることだろう。





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