警察関係
ホール営業(風俗営業)の管轄が国家公安委員会というのは前述した。
1930年に名古屋で最初のパチンコ店がオープンして以降 第二次世界大戦を経て1946年にパチンコは復活した。
その後大きなポイントとしては
1948年『正村ゲージ』の登場。
1980年『三共のフィーバー』が登場。
1988年警察庁が『CR機構想』を発表。
1992年最初のCR機『CRフラワーショップ』が登場。
そしてその後『社会的不適合機』の自主撤去や最近では『みなし機』の撤去などなど業界にとっては紆余曲折が数多くあった。
中でも個人的に大きなターニングポイントだと思っているのが 警察庁主導の『CR機構想』。これは業界にとって大きな負の財産をもたらした。
偽造カード事件は前述したが、それらの被害金額が何処へ消えたのか? 自分はその後の『裏ロム』や『偽造ハーネス』などの業界を震撼とさせた裏社会へ流れたと思っている。
それらのキッカケを作った『CR機構想』というのは結局、業界にとって何一つ良い点はなく、ホールもそれに反する事無く今がある・・・
そして警察との関わりで一番多いのが『入替検査』。これが特に宜しくない・・・
まずホールが遊技機を入れ替える時は、事前に『変更承認申請書』を所轄に提出する。
その書類を元にホールの店休日などを利用して所轄の担当者が『入替検査』を実施する。まずもって問題なのは、地域によって検査にさえ来ない所があるという事。
これは論外だ。
そんな事だから不正機問題が絶えないのだ。
そして検査内容。申請した書類の『枠番号』『基盤番号』『セル番号』などを照らし合わせ、1分間に100発以内の発射かどうかを試打し、玉がかりがないかどうかなどをチェックする・・・はず。
問題はそれら諸々をキッチリ行なう担当者もいれば、適当にあしらう担当者もいる。更に嫌がらせのように繰り返し時間をかける担当者だっている。要は担当者レベルで検査状況がバラバラなのだ。これはほぼ全てのホール従業者が感じている。
検査マニュアルがあるのかないのか知らないが、全国で統一する事などなんら難しいことはない。何故やらないのか? 何故ホールは追及しないのか不思議でならない。
ホール内部では検査のキツイ人、ユルイ人で話が盛り上がる事がある。そしてキツイ人がある時期からユルクなる事がある。何故か・・・いわゆる袖の下というヤツ。
時効だろうけど、自分が店長当時、非常に検査に厳しい担当者の地域に赴任した事がある。その当時の上司の指示で1度ビール券を渡した事がある。なんとその後は検査がユルクなると同時に、検査ごとに暗に袖の下を要求するようになった。
タバコあり、腕時計あり、酷い時には『ファン感謝デー』の景品であるテレビを渡した事もあった。
そして、更にはプリペイドカードの落し物で遊技した事もあった。当然出した玉を換金しイン・マイ・ポケット・・・
今の時代、そんな担当者はいないだろうけど、健全化を目指すには程遠い時代だった。
■保通協
正式名称は財団法人保安電子通信技術協会。通称、保通協が1985年に遊技機の型式試験を開始して20年を越えた。
元々は違法機を世に出さない為に、厳格なチェックをして機械メーカーに対して販売を認可しようとしたのだと思う。
その初心は理解できるが、役員名簿を見ると警察官僚などの天下り先としか思えない状況だ。確かに国家公安委員会の指定期間なので分からなくもないが、明らかな人員配置はどうだろうか?
まぁそれらは百歩譲ってよしとしようか。しかしこの型式試験の試験料がべらぼうに高い。高いなんてもんじゃない。パチンコは1機種につき約150万円、スロットは1機種に付き約180万円もかかる。
しかも不適合でも一切返金はないと聞く。ここまでの金額を徴収する必要があるのかどうか? 尚且つ収支報告を見ると赤字の年度があるのに驚く。
年間20億円以上の試験料がありながら、何故収支が赤字に成り得るのだ? もちろん業務はその他の事もやっているが、それにしても運営能力に乏しいとしか考えられない。
最近、政治家に対する『政務調査費』なるものが散々マスコミなどで叩かれているが、そんなものこれらに比べたらチッポケなものだ。確かに庶民の税金とそうでない違いはあるが不透明この上ない。
試験料が安ければいいのかとか、そんな問題ではない。どんな試験を行なっていて、だからこれだけかかる、というものを公開しないから不透明だというのだ。
国家公安委員会の指定機関なら尚更詳細を明らかにしないといけない。出来ないのなら民間がやっても同じ事ではないか。いわば独占市場状態になっているのだ。
試験料が高額→機械メーカーの負担増→機械代の高騰→ホールの負担増→ホールの利益増→遊技客の負担増→遊技客の来店減、という図式でなんと単純な事か。
業界全体を苦悩させている1要因であると今も思っている。試験料だけの問題ではない。前述したトンデモナイ遊技機が試験を通過するという理不尽な状況に、ホール側の多くの人が思っているし考えている。
ただホール側も全国で一致団結するという結束力に乏しい為、強い追及が出来ないのだろうと思う。考えなくてはならないのは、一般ユーザーの多くはこれらの細かい部分まで知らないし、理解しなくてもいいのだ。
純粋に遊技を楽しみたいのに楽しめない原因というのは、様々な事案が絡み合って業界側がユーザーを遠ざけている事に、誰かから何処かから声が上がらないといけない。
そして本当に業界全体で健全化に取り組もうというのであれば、問題解決を一つずつクリアして行き、ガラス張りの業界を目指し、子供達が将来この仕事をしたいと思わせるぐらいにしなくてはならないと思うのだ。

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