パチンコ日報

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公務員の割数 後編

公務員の割数の後編です。



数日後、Cの弁護士から私宛に手紙が送られてきました。



内容はCの反省文です。



「あのふてぶてしいCの反省文を今更、いただいても、何故、一方的に送ってくるのか?」と私は思い、弁護士事務所にTELすることにしました。



事務員さんに趣旨を伝え、折り返し弁護士先生のTELを待つことにしたのですが、いくら待っても折TELはなし。



2日後、こちらからかけると、同じ事務員さんが

・今は不在であること

・先日の趣旨は伝えていること



を事務的に繰り返すばかりです。



「何時なら先生はお戻りか?」と尋ねても、言葉を濁すばかりです。居留守のにおいがプンプンです。



しっくりいかない私は、知人の弁護士にいきさつを説明し見解を求めました。



知人は決して悪口ではない、と前置きしながら次の様な見解を示しました。



・その方は国選弁護人かと思われる。



・被告人のために必死になっても量刑は変わらない。



・裁判で出来ることは被告人が反省していることを示すくらい。



・反省することで、店長さんの理解を求めたいのではなく、反省文を送った事実が欲しいだけ。



・よって、店長さんが納得していないことが判ると面倒なため、対話は避けたい。



・被告人の利益を最大限に追求する場合、嘆願書を作成。

 被害者の理解そして署名を求めることもあるが、今回のケースはそうする気はないようだ。



「国選の場合は被告人のために頑張っても報酬が変わらないため【手抜きしている】と言うことですか?」と私が更に尋ねると、



「手抜きという表現がふさわしいかどうか、見解は分かれるが、効率的に進めようとしていると思われる」と言うことでした。



私は、刑事→検事→弁護士とベルトコンベアーのように流されていくCにあわれみを感じました。



悪いのはCなんで、あわれみは持つ必要はないのでしょうが。



正義の味方は心のこもった業務で悪人の心も変え、更正させ、再犯しないようしむける。



ドラマのような、そんな弁護士さんの心のこもった働きをイメージしていた私はギャップを感じました。



そして、正義の味方であるはずの人たちの省エネ業務にがっかりしました。



パチンコで例えるなら、「割数が低い」となるのでしょう。



(割数とはパチンコ営業で非常によく使う用語です。ここでは詳細は省略しますが、割数が高いと、店の利益率は低い、お客様に親切な営業と言えます。逆に「割数が低い」は「不親切」です。業界人には「釈迦に説法」みたいな話ですが、日報読者は業界人以外の方も多いようなので、敢えて触れました。また、台運用上は薄利の店であっても、「各種対応が遅い」「台メンテナンスが不十分」「清掃が行き届いていない」なども「割数が低い」と勝手に表現しています)



しかし、冷静に振り返ると、検事も弁護士も予測されるであろう結果への最短距離を選び進んだだけであり、可能性が低くても全力でチャレンジという青い臭い真似はしない静かに仕事を進める「いぶし銀」の働きをしたのです。



ですから、私の勝手なイメージで期待し、勝手に失望したと言う事です。



多くの公務員(紹介したケースでは弁護士は国選とみなし、準公務員と考えています)は、大きくは国家公務員・地方公務員にわけられ、職種・雇用形態も様々であり、一律に評価するには無理があります。



共通項で括ると国民・全体の奉仕者であり、税金から給与をもらう人々です。



奉仕者ですから、裁量権はありません。



局長クラスであっても法令、規則の根拠がない限り、決裁できません。



手続きの質を向上させることで全体の奉仕に繋がると考えているようなので、法令の下で、法令に忠実に、効率よく、確実に手続き(仕事)をすることのプライオリティーが高く、プロであればあるほど、「愛想よく」と言った姿からかけ離れることになるようです。



(ただし、検事など一部の公務員は裁量権を持ちます。検事は送致された事件に疑義があれば、不起訴、もしくは起訴猶予にする権限を一人ひとりが有しますが、実際はその多くが組織の暗黙の掟に従い、「手続きの効率化」を優先していると思われます)



誤解を恐れずに言うと公務員の多くは「手続き屋さん」なのです。



手続きに徹すればするほど、公務員の割数はどうしても「低」(不親切)に見えるのです。



また、業の性質から目立つことを避けるため、世論に抗弁はできないし、いたしません。抗弁しないため、批判は一方通行になります。



日本の公務員の人口当たりの比率は先進国の中では低いのですが、「外国に比べて数は多くないのです」と公務員の側から発信することは まずありません。



「数ではなく質が問題」であることは彼らは十分に自覚しており、「効率と確実性」に磨きをかけ、質を向上させようとするのですが、その姿を世間は冷たく感じるのではないのでしょうか。



翻って、私たちの業界はどうなのでしょうか。



公務員に対する批判は世間が「公務員は手続き屋である」と言う認識に乏しいことが、背景にあると私自身は考えていますが、私たちパチンコ業界に対する批判の原因は何なのでしょうか?



パチンコ業が規制対象業種であることは言うまでもありません。 



また、法的根拠も脆弱です。



俗っぽく言うと「日陰の産業」なのです。



しかし、日なたに出よう、出ようとしてきました。



日なたに出ようとした結果、多くの誤解、勘違いが起こり、それが、批判に繋がったのではないのでしょうか。



バイクメーカーはテレビCMを業界ぐるみで自粛しています。事故時の人命を考えるからです。



「吸いすぎない様に」とタバコのパッケージも年々、工夫が見られます。



一方、私たちパチンコ業界はどうなのでしょうか。



もちろん、ビジネスですから売上向上のための合法的な煽りは否定しません。



しかし、規制業種である以上、煽りは自律、自制とセットになるべきです。



日陰があるから日なたがあるわけで、日陰と日なたは対等です。よって、日陰は「肩身が狭い」わけではありません。



日陰を楽しみ、日陰を堂々と歩めば良いのです。



最後に公務員の皆様へ 批判は期待の裏返しです。



「もっと割数を上げましょうよ(親切になりましょう)。お互いに」





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