トップ導入週の平均稼働は1万8000枚で一躍首位に躍り出て、期待通りの機械かと思ったのも束の間だった。
1週間後には1万5000枚を切る。それでも今の機械にすれば上出来だが、中古市場は下落の一途を辿っている。ホールによっては2~3日目で早くも客が飛んだ店も。
中古機転売で機械代を回収しようと計画していたホールにすれば、償却計画が大幅に狂ってきている。
「機械自体は悪くはない。見た目も、演出もよかった。強い店はそれなりに稼働がある。ただ、客層を選ぶ機械なので、情報収集して予備知識のある人向き。オールマイティーではない。それと高確率が熱くない。結構外れる。差玉は出るのだが…。市場が要求していない台数が出回りすぎた」(販社関係者)
この機種に関しては5~6機種前ぐらいから機歴対象になっていたので、ホール側の期待も大きかった。中古でもプレミアムがついて高く転売できるとの思惑も見事に裏切られたことがホールの怒りに火をつけることに。
転売を目論んで店のキャパ以上に導入したホールは特に痛手だ。
別の販社の営業マンの機械の評価はこうだ。
「コアなユーザー向きの機械なので、せいぜい5万台ぐらいに止めていたらここまで評価を落とすことはなかった。決して辛くて出ない機械でもない。ただ、出方の波のバランスが悪い」
他メーカーの関係者の見方は辛らつだ。
「タイマー問題などもあり、数社のメーカーの社長が警察庁へ呼び出されてお灸をすえられている。その時、過激な機械は販売自粛を約束させられているわけで、警察がOKを出した機械は、市場的にはNG。メーカーの営業に煽られて買ったのだろうが、ホールも高価な買い物をするんだからもっと慎重にならなければいけない。機械は使いきるもの。転売で儲けようとするからおかしなことになる」
今回は期待が大きく、ホールの実力以上に多台数を導入したホールもある。弱小の部類に入るのに、20~30台導入して勝負に出たホールも。
「この半年間で業界はかなり疲弊している時に、この機械代の回収はかなり厳しい。結局はお客さんが負担することになる。メーカーの暴走は畑を腐らせていることと同じ」(ホール関係者)
ホールはお客に対して煽り営業をしていたが、メーカーはホールに対して同じことをやっている。
「来年は適正化されるのでは? ホールさんは買わなくていい機械は買わなくなる。適正な買い方をすれば、今のようにぶっこ抜く営業をしなくても済む」(販社関係者)
災い転じて福となすことになればいいのだが。

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