「最近のグランドオープンは満台にならない。こういうことが2~3度続くと色々考えさせられる」と話すのは設備機器関連の業界関係者。
その中でも背筋が凍りつくケースを目の当たりにした。
とある駅前に新規オープンしたホールは総台数300台。駅前には競合店が3店舗ほどある。
オープンしたのは11月の3連休前。
初日こそチラシを打ったが、ピーワールドにもホームページを開設することなく、静かな船出となった。
グランドオープン時、優先入場するには同市内に住んでいる人しか受け付けなかった。
そのために免許証などの証明書の提示を求めた。
すべては開店プロ対策だった。
グランドオープン時の赤字を開店プロに持っていかれるよりも、地元客に還元することが狙いだった。そのため、ピーワールドにもホームページを作ることなく、開店プロを排除するために、グランドオープンの情報を出すことはしなかった。
告知をしない代わりに、釘は開け、設定も6をガンガン入れていた。一度来店した客のクチコミで伝わることが狙いだった。
開店プロ対策はバッチリだったが、グランドオープン3日間で、稼働が5割を超えることはついになかった。
「せいぜい3割ぐらいの稼働でしたね。設定6を入れていても0回転では誰も打ちません。そもそもグランドオープン時は夕方4時開店の9時閉店。この営業時間ではARTは打とうとは思いません。釘も相当開いていましたが、結局3割稼働ぐらいではクチコミで伝わることもなかった。3日目はヘソはそのまま開けていましたが、道釘を割っていました。3連休目からは早くも回収モードだったのかも知れません」
開店プロを枯れ木も山の賑わいと見なせば、グランドオープン時には満杯になることは間違いない。
それを徹底して排除した結果、スタートダッシュで躓いた。
来店ポイントを導入しているホールなら、来店頻度が高い客から優先入場させることで開店プロを排除することもできるが、グランドオープンではこの手は使えない。
しかし、他ホールの関係者の見方は違った。
「もともと、2~3人しかいなかった居抜き物件。それで3割も入れば、十分効果はあったということではないですか?2~3人が90人でも集まれば万々歳じゃないですか」
グランドオープンで3割稼働は終わったと見るか、3割を成功と見るか意見の別れるところである。
一方、都内のホールの師走模様も悲喜こもごもだ。
2軒のホールを行き来する客が、従業員にこんなことを教えてくれた。
競合店はバラエティーの甘デジが強かったのだが、一昨日釘を閉めすぎて客を飛ばした、というのだ。
それに慌てて店の対応は素早かった。
社長の指示ですぐに釘を開けたところ、客が再び戻ってきた、というのだ。
この情報を聞いて、大晦日はバラエティーの甘デジは閉めないことにした。
客は回らなければ、来なくなり、回れば戻ってくる。
至極単純な話なのに、年末年始は当たり前のように取りにかかる。
さらに正月営業も徐々に閉めるように方針を変えた。
出した翌日は必ずお客さんは帰ってくることを経験値として分かっているはずなのに、閉めることしか考えていない。
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