一度営業許可を出して営業中のホールの営業許可を大阪府公安委員会に対して「取り消せ」と命じたのであった。
ホールに隣接する景品交換所も「パチンコ店と一体としていえる」と指摘して、府条例で出店が禁止されている小学校から100メートル以内に景品交換所が抵触する、という見解を示した。
2009年11月に大阪府交野市にオープンしたホールは、建築段階から地元住民の出店反対運動に合い、4万人の反対署名を集めた。
住民側の反対理由は、交野市の条例で定めた小学校から150メートル以内の出店禁止区域に店があり、さらに大阪府の条例で定めた約100メートルの距離に店舗の一部である景品交換所があることを主張。
営業許可は府条例に違反しているとして、大阪府が出した建築確認の無効と、大阪府公安委員会の営業許可取り消しを求める行政訴訟を大阪地裁に起こしたのが2010年3月のことだった。
第1回口頭弁論の答弁書で大阪府は「店は建築基準に適合しており、建築確認を出す上で市条例を考慮する規定はない」と反論。
また、公安委員会も「景品交換所はホールとは関係のない第三者の古物商で、100メートル以内にはパチンコ店はない」とそれぞれ反論していた。
ところが大阪地裁が出した判決は、景品交換所もホールの一部と見なすような見解だった。
「公安委員会は風営法上問題がなければ許可を出すのが仕事。ただ、判例を残す前に和解すべきだった。私が当事者なら、景品交換所の場所を移していた。そうすればこんな結果になることはなかった。しかし、地裁の判決はナンセンスだと思う」(ホール関係者)
業界にとっては一大事ともいえる判決が出ることになったが、当事者の周辺からは意外と落ち着いた声が聞こえてくる。
「営業許可申請を出す時に、そもそも景品交換所はパチンコ店の営業面積には入っていない。こんな判例がまかり通れば、公安委員会は全国のホールの営業許可を取り直さなければならない。公安委員会も立場があるので、控訴するはず。今回の件で営業許可が取り消されることはまずない」
景品交換所を営業所の一部と見なすのかどうか、新たな論争が生まれそうだが、公安委員会にだって面子がある。
そのためにもしっかり3店方式を遵守しておかなければならない。

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