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ホールと換金所が一体の地裁判決を業界は侮ることなかれ

1パチファンさんから法律に詳しいコメントが寄せられた。プロ裁判官に3店方式の建前が否定された、とする内容で地裁判決とはいえ侮れないと警鐘を鳴らす。



以下本文





侍様へ



法人格否認の法理とは、法人格濫用や法人格形骸化の状況において、法人の形式的独立性を貫くと正義公平の原則に反する場合に、特定の事案の解決のために、会社の独立性を否定し、会社とその背後者を同一視する法理を指します。



例えば、債務を抱える者が自らの資産が差し押さえられるのを回避するために、ペーパーカンパニーを作って資産をその会社に現物出資し、自らは無資力となり、債権者が会社に取り立てようにも会社は債務者とは別人格だから取り立てられない、といった場合にまで法人たる会社の形式的独立性を認めるわけにはいかない、といった法理です。



上記の事例においても問題解決の限りにおいて法人格が否定されるのであって、法人格否認の法理が認められたとしても法人格が全面的に否定されるわけでなく、当然に会社が解散されるわけでもありません。



よって、ホールと古物商の経営者を実質一体と見做すことを法人格否認の法理とは言いません。



また、三店方式で問題とされる論点に法人格の有無は無関係かと思われます。



さて、ここまで蛇足とも取られかねない法人格否認の法理について長々と書かせてもらいましたが、それは会社等を法律上の人格と認め、一定の権利義務を法人に与えるという原則を、民法1条3項「権利濫用の禁止」という一般原則で否定するという意味を考えて頂きたいからです。



法人格否認の法理は一般条項を根拠とした一般法理であるため、法的安定性の見地からその適用はできるだけ避け、他の法律の規定や契約条項の弾力的・合理的解釈によって解決すべきだとされます。



にも関わらず法人格否認の法理が適用されるのは、正義公平の原則や権利濫用の禁止といった法の正義を実現すべきだとされるからです。



条文の文言に一義的に抵触しなければ適法である、とは法は考えません。



さて、三店方式を徹底すればそれは風営法等が考える法の正義が実現されていると言えるでしょうか? 二店方式では検挙されるので三店方式を徹底すべき、今回の記事でもそのような見解が示されていましたが、三店方式ではそもそも法が実現しようとした法益が保たれるとでもいうのでしょうか?



今回の判決は地裁判決ですので、最高裁判例のような規範性は有しませんが、この地裁判決に有効な規範性が認められたらこれが判例として定着する可能性もあります。



地裁判決だから判例になりえないというわけではありません。また、行政訴訟において行政側が敗訴し、ホールと換金所が一体と判示されたという意味合いは決して軽くはありません。



今はまだパチンコの換金が公然とされたいますが、三店方式が違法性を完全にクリアしてるからではありません。



黙認されているだけです。



条文の規定に一義的に反しないことを適法と勘違いし、三店方式の正当性を盲信して今回の地裁判決を軽視していると、取り返しのつかない事態に陥ると危惧しています。



現に今回の地裁判決でプロも裁判官によって三店方式の建前が否定されました。



パチンコ店の立地規制の趣旨を考えれば、換金所も同様にその規制に服するべきだと分かるはずです。





現状の黙認状態という恩恵を与えられたパチンコ関係者の方々がそれを当然のことと勘違いし、誤った法認識のもとに法を蔑ろにする行為は自らの首を絞めるに等しい行為だと自覚して頂きたく思います。



長文失礼しました。



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