「社内の目標の進捗状況を見える化できるシステムで、誰が頑張っていて、誰が頑張っていないかも分かる。新規獲得のフェーズも見える。進捗状況もグラフ化できる。ウソの報告書が書けなくなる。アポは取れても結果が残せない社員が会社を潰すことになるが、それも未然に防げる。チャターで本当の意見が入らようになった。これ、トヨタも採用している」
このシステムはアメリカのセールスフォース・ドットコム社が提供しているITサービスで、モバイルとソーシャルネットワーク、クラウドの3つを融合したもの。タブレットやスマホを使ってどこでも居ながらにして情報を共有できる。サーバーではなくクラウドを使うことによって低コストで業務改善が図れる。
人材派遣会社の社長もいっていたように、日本でも大手企業が「セールスフォース」を導入し始めているが、その代表例がトヨタで、昨年5月から業務提携して「トヨタフレンド」の構築を図っている。
豊田章男社長が採用に至った経緯は、若者の車離れに歯止めをかける狙いがあった。会見で次のように述べている。
「ソーシャルネットワークサービスの中に、これからは車も参加する。コミュニケーションを通じて、車がお客様と友達になる。さらにお客様にトヨタも友達と思ってもらえたら、こんな素晴らしいことはない。次の100年も車がお客様や社会に必要とされ、愛される存在になるための一つのチャレンジになる」
社会に必要とされ、愛されるとはパチンコ業界とも無縁ではない。話はさらに続く。
「コミュニケーションツールが今やSNSになったように人と人のつながり方やコミュニケーションの手法は劇的に変化している。コミュニケーションの変化に合わせて車も変化することができれば、若者の車離れや車の魅力低下の現状に歯止めがかかる。もっといい車を作るためのチャレンジ。クラウドという未知の世界を切り開いたセールスフォース・ドットコムと仕事をすることでトヨタの車作りがどのように変わるか、わくわくしている」
車をパチンコにそのまま置き換えられる。
トヨタはセールスフォースを「iPhoneに4つのタイヤを乗せたようなもの」ともいわしめる。
その心は車に人格=車格を持たせ、ユーザーが車と友達になるSNSと捉えている。いずれは、ユーザーの動向を予測して、車自身がつぶやくようにするようだ。
業界、業界でそれぞれ使い方がある。
老舗旅館では顧客管理に使っている。
前回泊まった顧客情報を瞬時に引き出し、それを調理場や中居さんらがタブレットやスマホで情報を共有できる。好きな食べ物、苦手な食べ物、残した食べ物、客の嗜好がすぐに分かるので、1人1人にきめの細かいサービスができる。
フェイスブックやツイッターなどとも連動しているので、その顧客がそれらのSNSに書き込んだ情報も吸い上げられ、一元管理できる。
パチンコ業界では大手コンサル会社がすでに導入しているようだが、ホール企業やメーカーも、パチンコが社会から必要とされ、若者のパチンコ離れに歯止めをかける一助として採用してみたら面白い。

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