パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

メーカーは人間関係を構築できる営業マンを育てよ

2009年1月に結ばれた遊技機の販売方法に関する4団体合意の風化は早かった。



「大量導入優先販売については、その現状が格差を拡大し、不公平感を増大させるおそれがあると各団体が共通の認識を持ち、その是正に向けて誠実に協議し、具体的な施策の実行に努める」とか、



「抱き合わせ販売をはじめとする独占禁止法等の諸法令に違反するおそれのある販売方法を禁止する」といった内容だった。



全日遊連に加盟するホールは大多数が中小ホールで、この団体合意は本来中小ホールを守るための合意であるはずなのだが、中小ホールの声は業界ではかき消されてしまう、という現実をまざまざと見せつけられた。



ホール側の本音は稼働が上がり、利益が取れるものは「高くても買う」。メーカーもここを見透かしているから、機歴販売というものがまかり通ってきたが、それも通用しない状況がやってきた。



「抱合せ販売にこれまで付き合ってきましたが、うちのオーナーがついに付き合いで買うことを『止める』宣言を出しました」と語るのは都内ホール関係者。



その理由は鳴り物入りで登場した大型版権がことごとく期待を裏切る結果に、業を煮やした。



AKBを除いて大型版権でも稼働がまったく取れない。



そこで、このホールでは新機種を選ぶ基準として、オーナーや営業本部長と人間関係が構築できているメーカーの営業マンかどうか、ということにした。



機械は水物でどこのメーカーのどの機種がヒットするかは、市場に導入されるまでは誰も予測が付かない。



人間関係が構築できている、ということはヒフティー、ヒフティーの関係で相手を裏切ることもしない。



そういう信頼関係が出来上がると、抱き合わせを頼まれなくても、営業マンの成績が上がるように、ホール側が付きあいたくなるものだ。



「大手にはペコペコして、中小には何もしない。ヒット機種がここのところ何年も出ていない老舗メーカーの営業マンは、偉そうなことばかりいって、まったく謙虚さがない。態度が横柄な営業マンが多すぎる。メーカーには人間関係を構築できる営業マンを育てろ、といいたい」と不満を爆発させる。



昔のメーカーは機械を買ってくださいと、頭を下げ、釘まで叩いたのに、海がヒットした辺りから売り手と買い手の立場が逆転した。



ペコペコされている大手ホールの社員の中には勘違いするものも出てくる。



それが決裁権を振りかざして業者を食い物にする“買う、買う”詐欺だ。サンプルなどは本部長が気に入っているから、ただでせしめるのは序の口。自分たちの飲み代の請求書は業者へ回すことも日常茶飯事。



詳細は別の機会に譲るとして、ホールもメーカーも対等な関係でなければ行けない。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。





公務員の割数 前編

私も警察も体感機ゴト師対応に辟易していた2004年。



ゴト師C(37歳♂)のケースです。



ホールで確保した段階で私は、



・器具の放棄



・お詫び状(念書)



・組合への氏名・写真提供の同意



をもって、和解しようとしたのですが、Cは証拠ビデオを見せても全く、認めず、横柄な態度でした。



後々、わかるのですが、Cの道具は無線型で有線型に比べ、立件が難しいと

タカをくくっていた模様でして、更には30万円と高額な体感機であり、

まだ、元はとっていない。



よって器具の放棄に並々ならぬ抵抗を示したようです。関東からの単独ゴト行脚中のCは余程、自信があったのでしょうか。



ビデオ、データ、コインなど各種証拠と共に警察に突き出すことになりました。



刑事さんはこういいました。



「店長さん、Cは前科があるね。相当根が深いよ。どうする?」



「全く反省の色がないから、徹底的に絞ってください」と言う私に刑事さんは 瞬間的に面倒そうな表情が浮かびました。



「では、店長さん、今から被害届けや事情徴収の手続きに入りましょう」と言うことで取り調べモードは一気に加速しました。



手抜きは一切なし。 私も事情聴取で警察署に詰めることになりました。



おっと失礼。



「手抜きなし」をあえて使うと 「日頃、手を抜いているのでは?」という印象を与えますね。和解を奨励することはあっても警察の仕事に手抜きは一切ない、とそう感じています。



明らかになったことは、Cは元ホール幹部。



東京のホール勤務時、外部勢力とグルになり、裏ロムを仕組むと言う前科がありました。



数日後、刑事さんから「店長、一緒に検察に来てもらえないか?」と依頼がありました。



その趣旨ですが、「検事さんが体感機のしくみの説明を求めているのだが

私はうまく説明できない。よって補足してもらえないか」ということです。



F地方検察庁Y支部へ刑事さんと出向きました。



検事さんの部屋に通されたのですが、検事さんからの声かけはなく、しばらく沈黙。



しばらくして「で、何の用?」と検事さん。



刑事さんと私は顔を見合わせ、話の切り出しに苦慮。



間を置いて、刑事さんが「先日のパチンコ店の窃盗未遂事件の件ですが」と口を開きました。



「そうそう、そういうのがあったな。で、?」と検事さん。



「先日、電話でお話したとおり、器具の説明について本日は被害者であり、器具について詳しい店長さんに来ていただきました」



私は深々とお辞儀し、名刺を差し出したところ、検事さんは受取りません。



「前置きはいいから、忙しいのでとっとと説明してください」と検事さん。



私は「嫌なムードだな、、自分が呼びつけたくせに」と思いつつも、



「儀礼よりも実務を優先する実務派の検事かも」と心の中で善意に解釈することにしました。



そして瞬時に気持ちを切り替え愛想よく、



「かしこまりました」



ということで、

・スロットの大当たりや小役抽選の仕組み

・ストックの仕組みとストック放出の仕組み

・抽選のタイミング

・体感機でそのタイミングを合わせる

・レア小役の松解除、チェリー解除などなど



当時、私の持つ、精一杯の知識を披露し、「よって大当たりの確率は」と【確率】と言う言葉を使ったその時でした。



「俺の前で確率の話はするな!」と検事がいきなり激怒。

(もう「さん」はつけません)



刑事さんも私もびっくり。

鳩豆状態です。



検事「俺はT京大学で、確率論を専攻していたんだ」



つまり、【確率】の解説について、



「プロである俺がアマのお前からの解説を受ける必要はない」と言うことなのです。



その当時にスギちゃんがいたら 

「専攻していたんかねえ~ワイルドだなぁ~」とものまね・お笑いで済んだのでしょうが。



再び、沈黙。



重苦しいムードの中、

刑事さんが「実は容疑者は自供しておりまして」というと、



「それを早く言えよ。自白しているならごちゃごちゃ考えなくて良いんだよ!」と検事。



検事も刑事も40歳前後。見た目は若干、刑事さんが年長?



しかし、言葉は完全に上から目線でした。

階級社会には「長幼の序」は存在しないようです。



と言うことで検察での体感機プレゼンは終了。



何の為に時間を割いたのか。とてもむなしい思いをしました。



と同時に怒りのバロメーターがアップ。



帰路、刑事さんが

「店長さん、嫌な思いをさせてしまったね」との労いの言葉でようやく、我に返ることができました。



刑事さんは多くは語りませでしたが、どうやら自白の件は事前に電話で触れており、この検事のヒエラルキーまるだしには他の事件でも手を焼いているようでした。



本人は威張りたいだけなのでしょう。



「エリート街道からはずれ、支部勤務に相当不満があり、権威をアピールすることで不満解消」と思われても仕方がない対応でした。



本来、立件に関して、自白偏重であることは、好ましくないはずなのですが

自白に頼ることが手っ取り早いため、業務的に手を抜きたかったのでしょうね。



「威張ることには手を抜かないくせに」と私は心の中でつぶやいていました。





人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。

組ちがい

ゴト師豊作の2004年。



こんな豊作はうれしくないのですが、やんちゃグループに属さない普通の青少年達がゴトに手を染め始めたのが2004年、と私は記憶しています。



それまでのゴト師はヤンキー系、チャイナ系がほとんどでしたが、2004年頃から普通のお兄ちゃん達がゴト行為に手を染めるようになったのです。



素人ゴト多発の背景には、器具のネット販売やしっかり儲けたゴトの元締め達が器具を手放す事があったようです。



体感機もしくは低周波治療器を改造した器具によるもので、対象機種のほとんどは4号機吉宗、30パイのシオラーでした。



ゴト師を捕まえる事よりも、「このホールは隙がない」と諦めて何もせずに帰すことを優先しており、それらしき人物にはベタ付きでこちらがマークしていることを知らせることで予防できました。



しかし、このお兄ちゃんたちはガードが甘く、悪気なく、普通に行為に及び、「ちょっと事務所まで」にも素直に従う(中には逃げ出したり、暴れたりする者もいましたが、概ね素直に従い、それまでのゴト師とは様相が異なりました)。

と言うことで多い月には10人ほどを確保することになってしまいました。



(その後、「レバー付近は念入りにズームアップしています。体感機のもちこみは住居侵入罪、従わない場合は不退去罪となります」と言った趣旨のポスター告知を徹底することで沈静化しました)



ゴト師の立件には証拠の提出や事情聴取(多い時には刑事課、地域課、生安課少年係と3回)。



実況見分、時には検察への説明への同席、国選弁護人からの手紙対応などなど膨大な労力を費やすのです。



数回目ともなると、当時、担当していただいた警察の幹部職員から「少年で初犯。反省の色も濃く、警察、被害者立会いの下、器具を処分することで和解してはどうか」との提案もしばしばありました。



煩雑な手続きに辟易していた私は警察の提案に迷わず「了解です」。



その他にも色んなケースがありました。



■A(当時21歳)の場合



押し売り被害でした。



K市のパチンコ店で大勝したら、「換金所で待ち伏せされ、10万円で買わされた」そうです。



使い方の説明、ゲームセンターでの練習の奨励もあり、押し売りなのに親切でして、ただし「K市ではするなよ」ということで、当時私が勤めるホールのあるY市に遠征してきたのでした。



本人談話を額面通り受取るわけには行きませんが、待ち伏せされたホール名、手書きの取説、練習したゲームセンターの場所など具体的な話でした。



■B(当時19歳)の場合



前述の警察の提案により和解したのですが、その際「君の写真と免許のコピーは組合に回すからな、今後はY市のホールに出入りするなよ」と遊技場組合に限り、写真・氏名を公表する旨の同意書にも署名させました。

(実際はこういう事件があったことの報告にとどまり、写真・氏名は公表し

ません)



後日、Bの父親から私に電話が。



「うちの息子は一生、黒い勢力に追われるのでしょうか?」との質問です。

息子さんの行為に対するお詫びの言葉はありません。



どうやら「組合」と「組」を混同していたらしいので、ここは丁寧に



「パチンコ業界が健全化の努力をしていること」



「当ホールは黒い勢力とは無関係であること」



「息子さんがまた、犯罪に手を染めないよう見守ること」

などを話すとえらく喜んでいただきました。



宝くじの組違い当りはとてもうれしいのですが、この「組違い」には丁寧に説明しつつも、とても複雑な気分になりました。



「組合と組」の勘違いがあったとしても、「黒い勢力から一生追われるのでしょうか?」と尋ねることは私たちパチンコ店を黒い勢力の一味と感じている証でして、「まだまだ世間はそういう印象を持っているのか」

と思いつつ、臆面もなく(黒い勢力の一味とみなしている)私にそう尋ねる思慮のなさ。



「この父親にしてあの子あり」と感じました。このあほ親には「はい、一生どころか孫の代まで追われます。」と言ってやった方が、薬になるのではと思いつつも、実際は丁寧に解説させていただいたのです。



つづく



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。



大手はパチンコ人口の減少を心配していない?

10年ほど前は年間2000億円の黒字があったスーパーのイトーヨーカ堂が今は7億円程度まで激減している。



業績悪化に伴い、8600人いる正社員を3年以内に4000人削減する方針を打ち出している。



総合スーパーの業績がジリ貧になっている一方で、同じセブン&アイホールディングス傘下の セブン-イレブン・ジャパンの業績は絶好調で、2012年2月期の売上高は3兆2490億円(前年比10.2%増)、営業利益は1800億円(同6.4%増)と、いずれも過去最高を更新した。



セブン-イレブンの国内店舗数が1万3232店に対して、ローソンが8776店、ファミリーマートが7964店、と大きくリードしている。



コンビニ業界でも競合他社を寄せ付けない。



強さの秘訣は、一定エリアに集中出店するドミナント方式を徹底していること。これにより、製造や物流の効率が高まる。



セブン-イレブンが空白地帯だった四国に5年以内に520店を出店する方針を打ち出しているが、イトーヨーカ堂をリストラされた社員は、セブン-イレブンへの転籍と個人オーナーの道を選択する道も残されている。



「セブン-イレブンは決算賞与も出ている。先のないヨーカ堂よりセブンの方がいい」とリストラされる社員の将来は明るい。



セブン-イレブンの鈴木会長の語録の中にこんなフレーズがある。



「成功するには、成功するまでやる」



当たり前といえば、当たり前のことだが、業績の悪い店舗は一気に閉めて、また新たなところへ出店する。



コンビには5万店で飽和する、といわれている中、現在4万7000店に達しているが、セブン-イレブンの鼻息は荒い。



「他のシェアを食えばいい。飽和軒数はうちにはない」



これはパチンコ業界にもそのまま当てはまる。



「大手はパチンコ人口が減ることをまったく心配していませんよ。中小を潰して、そのシェアを奪えばいいだけのことですから。一物一価が浸透すればするほど、中小は生き残っていけない。これで消費税が増税されれば、体力のない中小は自然と淘汰されます」(事情通)



V字回復の助走のために、ダイナムは業績の悪い店舗を大胆に閉めたことがあったが、5~10店舗の中小は業績の悪い店舗を閉鎖したら、店舗が残らなくなったりする。



業界で生き残れるのは全国大手と地方の有力ホールだけになってしまうのか?



都内の有力ホールは「カネがありすぎて使い道に困っている」というような声も聞こえてくる。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。

現状維持を願う思考が業界を縮小させる

パチンコをしない人の方が圧倒的に多い中、アンチ派から毎度のように指摘されることが「3店方式は違法」ということだ。



警察当局の見解が「ただちに違法とはいえない」というレベルだから突っ込まれるわけだ。



3店方式の原型になったのは、昭和36年からスタートした大阪方式だ。



当時はタバコなどの景品の買取を暴力団が行っていたため、暴力団排除と身障者や戦争未亡人の新たな雇用の場として、買い場に福祉をかませる方式を大阪府警が認めたことに端を発している。



それから50年以上が経っているのに、僻地では未だに3店方式が確立されていない。



全国一面積が広い北海道では、本年だけでも自家買いで検挙された事案が5件にも及び、道警の保安課の担当官は「全国的に見ても突出しており、由々しき問題」と怒りを露にしている。



田舎で3店方式を完遂するにはコストがかかりすぎて、2店方式になってしまうが、健全化のコストと考えれば最低限遵守しなければならない。



もっとも全国の手本となった大阪方式も手数料を下げたことで、システムが破綻している。



「3店方式の合法化で自らが動くと墓穴を掘ることになる。合法化されなかった場合、言いだしっぺが叩かれるだけ。後世まで言われ続けるのが怖い」(都遊協関係者)



それだけではない。



3店方式の合法化を世論調査してもまず勝ち目はない。



それなら、今のままの3店方式が未来永劫続くことを業界は願ったわけだ。ただ、未来永劫に3店方式が続くには業界が巨大化し過ぎた。



業界は健全化のコストとして不承不承プリペイドカードを受け入れたが、巨額の偽造カード被害で三菱商事が撤退したことから、換金合法化の夢は霧散した。



以前、地方の警察職員の方からこんなコメントが寄せられていた。



「各方面から情報収集しているのが職務のひとつ。パチンコ日報はどこにも書いてない業界の本音があり参考にしている。

監督側の一職員から一言。

ぱちんこ業界の皆様は思考が狭すぎる。自分たちの業界を良くしたいと思う方々もいますが、現状維持を貫きたい年配者の役員もいるのも事実。

森全体を見渡し森の将来を設計する。これを可能にするのは業界の外から森を見渡せる人ではないでしょうか。元店長殿のぱちんこ業界に未来を記した記事はよく出来ていると思われる。

今の状態ではぱちんこ業界の縮小は避けられない状況である」



現状を維持したい年配の組合上層部がいる限り、業界の縮小は避けられない、ということのようだ。





人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える





※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。