8月にグランドオープンしたホールも、オープン当初は4円、2円、1円の3パターンの営業スタイルだった。
4円を打てない客の受け皿として2円を導入したが、これがまったくの期待外れだった。
オープンからわずか10日あまりで2円コーナーは廃止した。
「4円、2円、1円と3パターンある場合は、どうしても2円は中途半端になるので、稼働が付かなかった」(店長)の反省から導入したのが40銭パチンコだった。
50銭パチンコは最近見かけるようになった。同ホールのチェーン店でも50銭を導入しているので、ある程度の手応えは感じていたが、導入したのは50銭ではなく、業界でもあまり聞かない40銭パチンコだった。
「発想は単純です。4円の10倍遊べる、ということで40銭に落ち着きました。深い意味はありません」(同)
スタート当初は1列20台だったが、すぐに40銭コーナーを倍増した。
同ホールでは顧客管理システムを導入している。
そのデータからある異変が見えてきた。
グランドオープン前は4円を打っていたヘビーユーザーが、半年以上の休業期間を経てホールに戻ってくると、予想以上に1円に移行していた。
「1円時代を実感しましたね。もはや4円に固守する時代ではないですね。稼働しない4円をいつまでもメインにするわけにはいきません。これからどんどん4円を圧縮していきます」(同)
その根拠がAKBのデータだった。
稼働しない4円のAKBよりも、稼働する1円のAKBの方が粗利も倍以上取れることが見えてきた。
人気機種によっては新台から1円に導入しても採算が取れる手応えを感じるようになったので、1円が主流になろうが、不安はない。
大半のホールが稼働がない4円コーナーを後生大事にしている。
そこで、死に島となっている4円パチンコを圧縮する一環として採用されたのが40銭パチンコだった。
「1円のお客様でも1万円も使うと高い遊びだと思われる方もいらっしゃいます。3000円でゆっくり遊びたいお客様が40銭へ行かれます」(同)
顧客管理データからまた新たな発見があった。
データを見るまでは、1円客がカネがなくなったら40銭へ移動するのかと思っていたが、40銭と1円でははっきりと客が分かれていることだ。
1円客は勝ち負けに拘るが、40銭客は時間消費型で勝ち負けではない。40銭では1箱出ても700~800円だ。
40銭、50銭パチンコの世界になって、ようやく時間消費型レジャーといえるようになる。
いずれにしても4円と1円の台数比率が逆転するのも時間の問題だ。

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