「大量導入優先販売については、その現状が格差を拡大し、不公平感を増大させるおそれがあると各団体が共通の認識を持ち、その是正に向けて誠実に協議し、具体的な施策の実行に努める」とか、
「抱き合わせ販売をはじめとする独占禁止法等の諸法令に違反するおそれのある販売方法を禁止する」といった内容だった。
全日遊連に加盟するホールは大多数が中小ホールで、この団体合意は本来中小ホールを守るための合意であるはずなのだが、中小ホールの声は業界ではかき消されてしまう、という現実をまざまざと見せつけられた。
ホール側の本音は稼働が上がり、利益が取れるものは「高くても買う」。メーカーもここを見透かしているから、機歴販売というものがまかり通ってきたが、それも通用しない状況がやってきた。
「抱合せ販売にこれまで付き合ってきましたが、うちのオーナーがついに付き合いで買うことを『止める』宣言を出しました」と語るのは都内ホール関係者。
その理由は鳴り物入りで登場した大型版権がことごとく期待を裏切る結果に、業を煮やした。
AKBを除いて大型版権でも稼働がまったく取れない。
そこで、このホールでは新機種を選ぶ基準として、オーナーや営業本部長と人間関係が構築できているメーカーの営業マンかどうか、ということにした。
機械は水物でどこのメーカーのどの機種がヒットするかは、市場に導入されるまでは誰も予測が付かない。
人間関係が構築できている、ということはヒフティー、ヒフティーの関係で相手を裏切ることもしない。
そういう信頼関係が出来上がると、抱き合わせを頼まれなくても、営業マンの成績が上がるように、ホール側が付きあいたくなるものだ。
「大手にはペコペコして、中小には何もしない。ヒット機種がここのところ何年も出ていない老舗メーカーの営業マンは、偉そうなことばかりいって、まったく謙虚さがない。態度が横柄な営業マンが多すぎる。メーカーには人間関係を構築できる営業マンを育てろ、といいたい」と不満を爆発させる。
昔のメーカーは機械を買ってくださいと、頭を下げ、釘まで叩いたのに、海がヒットした辺りから売り手と買い手の立場が逆転した。
ペコペコされている大手ホールの社員の中には勘違いするものも出てくる。
それが決裁権を振りかざして業者を食い物にする“買う、買う”詐欺だ。サンプルなどは本部長が気に入っているから、ただでせしめるのは序の口。自分たちの飲み代の請求書は業者へ回すことも日常茶飯事。
詳細は別の機会に譲るとして、ホールもメーカーも対等な関係でなければ行けない。

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