パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

ホールを社員に譲りたいオーナー

日本海側は太平洋側に比べて、どうもうら寂しさがある。例えば、中国地方は瀬戸内側を山陽と呼ぶのに対して、日本海側は山陰と呼ぶ。



中国山脈の陰という意味合いもあるのだろうが、現代社会で「陰」なんて付けようものなら、地元からは猛反発があることは必至だ。



日本海側はどうしてもうらぶれたイメージがある。過疎県も少なくない。



そんな地域で営業しているホールの話だ。



長年ホール経営をやってきたオーナーは、最近経営欲がとみに衰えてきている。



高齢になったことに加えて、跡取りがいないこともある。



何よりも4円パチンコに客も付かず、1円にかろうじて客が付いている状況に意欲を失っている。



1円の収益では設備投資もできず、ホール経営に自信がなくなり、ホールを手放したい心境になっている。



ネット時代とはいえ、生きた情報がなかなか伝わってこないので、この先パチンコ業界がどの方向に進んでいくのか、まったく読めなくなっていることが、不安をさらに掻き立てる。



いい機械さえ出れば客が来た時代は儲かったが、そんな時代が再び訪れることはもはや期待できない。



そこでオーナーが意を決して店長に提案した。



「お前たちでホールをやってみないか? 機械の支払いは本部の方でする」



店長たちの意見は二分した。



「是非やってみたい」と意欲のある店長と「転職しようか」と会社に見切りをつけようとする店長がそれ。



意見が一致したのは「給料の問題ではなく、一生この業界で食べて生きたい」。



そして、店長たちは全国でこんなケースがあるのか、と不安になった。



社員が経営して成功している事例があるのかどうか知りたくなった。



社員が社長になるケースはゼロではない。



実際に何件かある。



ただ、その場合オーナーに意欲がなくなったから社員を社長にするのとはちょっとニュアンスが違う。



業績がいい時期にバトンタッチしている、というところが違うし、それは計画的にバトンタッチすることが準備されていた。



例えば、身内に会社を継がせるのではなく、能力のある社員を経営幹部に育て上げ、名実共に社長の器になったところでバトンタッチしている。



社長の仕事といえば資金調達もある。



その辺は従来通りオーナーにやってもらい、家賃をオーナーに支払うやり方が現実的かも。





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知ってか知らずか

・特定の機種について若しくはぞろ目の日等の特定日においてライターその他の者が取材等を行う旨、又は営業所の名称、地名、記念的行事若しくは特定の機種の名称等を冠し、若しくは特定の機種の題材となっている者が来店する旨の表示



これは7月20日、警察庁がホール5団体を呼び出して、広告・宣伝規制の通達を出した時の一部内容だ。



広告・宣伝規制の影響で一番仕事が減っている、と思われるタレントといえばいの一番に挙がるのが海物語のマリンちゃんたちや花の慶次のイメージキャラクターになっている角田信朗だ。



なにせ、特定の機種と関連付けられるタレントは上記の通りアウトになったからだ。



「広告規制以来、角田さんの仕事は減っていますね。まず、ホールからもオファーが来ません。それ以前に角田さんでは企画がどうしても組みにくい。歌を歌ってもらうにしても特定の機種になってしまいます。タレントを呼ぶのなら無難な歌手をオススメします」(イベント会社関係者)



こういう状況で、このチラシを見た時は自分の目を疑った。







花の慶次を新台導入していないのならまだ逃げ口もあるが、花の慶次~漢を22台も導入している。



「テレビ収録での来店ならギリギリですが、これで収録時に慶次を打つんですかね」(同)と危惧する。



このチラシを見たら警察庁関係者が熱を上げる。



警察庁は警視庁及び、各都道府県警察に次のような檄を飛ばしている。



「広告・設備等規則違反に関しては、当該違反に対する行政処分にとどまることなく、これらの違反から推認される遊技場の無承認変更や賞品買取り等の悪質な風営法違反が潜在している疑いが認められる営業所について必要な捜査を行うなど、根源的かつ悪質な違反の立証に努め、その事件化を図ること。



なお、広告・設備等規則違反に関しては、ぱちんこ業界に対して度重なる指導してきたことに照らし合わし、今なお同違反を行う営業者については、特に遵法意識に疑いがもたれるところであり、釘曲げ等の遊技機の無承認変更を始めとする各種の風営法違反を行っている蓋然性が高いことから、その他の違反行為についても見過ごすことなく厳正に対処すること」



警察庁の並々ならぬ決意がホール現場まで届いていない。



当然、店舗管理者なら分かっているはずなのだが。





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地下立地考

マルハン茨木店のチラシだ。



この裏面が何とマルハン梅田店の案内になっているではないか。



阪急京都線やJRで大阪・梅田方面に通勤しているたくさんいる。そういう人たちに少しでも梅田店を知ってもらいたい、という表れだろう。



10月25日のグランドオープンから間もなく2カ月が経とうとしている。完全、平常営業に戻っているが、それが現在の梅田店の実力であろう。



12月某日。平日の夕方。



エスカレーター前にはいつも従業員が立って客を迎え入れているが、いつもとは違うアナウンスをしている。



「パチンコは地下2階となっております」



エスカレーターで地下1階のスロットフロアーに下りると、ここでも従業員が立っており、やはり「パチンコは地下2階となっております」の案内をしている。



照明を落としたスロットコーナーを通り抜けて、地下2階のパチンコフロアーへエスカレーターで下りると、真っ白くて、明るいパチンコフロアーとなっている。



これまで、何度も来ているが、パチンコの稼働はマルハンとしては満足の行くものではない。



新台の仕事人には客が付いているが、相変わらず台数的にも一番多い海系統が芳しくない。



梅田から郊外のマルハンのチラシの裏に梅田店を載せたり、エスカレーター前に立ってパチンコフロアーの案内をしたり、とパチンコの稼働を上げるための細かい努力をしていることが如実に伝わってくる。



ネットでは釘が渋いとか、スロットコーナーが狭苦しいなどと書かれたりしているが、やはり地下フロアーという立地条件がネックになっている。



それは出店する時から議論はされたことだろう。



5年ほど前の話になるが、競合他社が出店した地下フロアー立地の案件について、「私なら絶対出店しない」と断言する関係者もいた。



パチンコ客は上に上がるのも下に降りるのも嫌がることは百も承知していることだろう。



マルハンで勝って、ドンキで買い物をして、ラウンドワンで朝まで遊ぶ。



そんなイメージの複合ビルだが、地下街からの動線があったら人の流れも劇的に変わるのだろうが。





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まずは適正な労務管理から

京阪奈社会保険労務士事務所の武居利記代表から寄稿が届いた。



以下本文



先日のエントリーにES(従業員満足)についての寄稿があり、今後連載が開始されるとのことですが、確かにESが達成されていなければCS(顧客満足)は「理屈でCSを向上させようと言っても肝心の社員が、会社や仕事に対して不満や不信が蓄積している状態では、結局のところ『笛吹けど踊らず』という状態に陥ってしまいます」(志田氏)との言葉の通り形骸化されてしまいます。



ESの概念は素晴らしく、それを推し進めることに対しては推奨以外のなにものでもありませんが、従業員に対してESという言葉の押し売りになってしまわないことを切に願いたいと感じます。



というのも、ESの手法については連載を楽しみにするとして、よくあるのが、会社がESという耳触りのよい言葉に踊らされて、形だけのESをついつい取り入れてしまうといった、従業員が満足していないESが蔓延しているという事実です。



従業員にとってみれば「従業員のため」という名目が表面的に見えるため、面と向かってはそれらの取り組みに対して文句を言えず、むしろ、ありがたがっている様相を見せなければならないという面があります。



もちろんどのようなESマネジメントを行うかにもよってきますが、喜んでいる様に見える従業員を見て経営陣だけが誇らしげに自己満足し、その裏で従業員は違うことを考えている場合もあります。



ESを推進するにあたって、順序を間違えては元も子もありません。



私は社会保険労務士という職業柄、数多くの会社を見てきていますが、土台ができていないがために、ESを推進しても効果が上がらない、もしくはなかなかうまくいかない会社が山ほどあるのをみてきています。



その土台とは言うまでもなく労務管理のことになりますが、私の経験上、従業員が会社に対して不満を漏らすのは往々にしてこの労務管理の不適切さです。



「有給休暇が取れない」



「残業代が出ない」



「労働時間が長い」



言い出せばきりがありません。最近では会社が「セクハラ」や「パワハラ」の対応をしてくれないというのも上位に位置し、これらの不満は蓄積されれば当然会社に対しての不審になります。



これらの労務管理に関する問題は、基本的には内部からも外部から指摘されることは少なく、弊事務所などの専門家に指摘される場合を除いて、指摘されたときは従業員が労働基準監督署などに申告し、是正勧告を受けた等何らかの重大な問題が起こった時の話が殆どです。



ただ、これらの問題は従業員にとってみれば自身の生活に直接かかわってきますので言葉にはなかなか出せませんが、切実な問題です。まずはここを押さえておく必要があります。



終業後、経営陣が「これから我社はみなさんにもっと気持ちよく働いていただくためにESを推し進めていきます!そのために…」と長いミーティングでESについてにこやかに話したとしても、終業後ということで、その長いミーティングに対しての残業代がでなければ、滑稽な話であり正に「笛吹けど踊らず」という言葉が当てはまります。



近年、インターネットの普及の関係でしょうか、情報が身近になり、従業員の労働法の知識は筆者が驚くほど深い場合があります。



労務管理に自信のある会社はぜひESを推し進めてほしいと思いますが、労務管理に一抹の不安があるのであれば、労務管理はESの土台となる基本的なことですのでESを推し進める前に見直すほうがよいでしょう。



ちなみに、終業後のミーティング、強制参加でなければ労働時間とはみなす必要はありませんが、強制参加であれば労働時間となります。



言葉で強制ではないと言っていたとしても参加しなければならない雰囲気があればそれは労働時間であり、賃金の対象となります。



以前TVで終業後自由参加という名目で1時間を超えるような反省会という名のミーティングが行われるような会社が元気な会社というくくりで堂々と報道されていましたが、雰囲気的にほぼ強制参加であり、筆者からみれば明らかに労働時間というものでした。



この会社はこの反省会に対して残業代は出ないとも報道されていました。



なお、一般的には、労働者が使用者の明示または黙示の指示により使用者の指揮命令下に置かれた時間を労働時間といいます。



ESは従業員を甘やかすことではありません。



加えて従業員を洗脳することでもありません。



ESマネジメントの成功している会社、従業員が生き生きと働いている会社は従業員に対して地道な努力を借しんでいません。



どのようなESマネジメントの手法が出てくるのか、志田氏の連載が楽しみです。





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KYでも憎めない主任

私が在籍していたI県のあるホールでの警察の階級に関するエピソードです。



警察の階級を知らない業界人が意外と多いですね。業界を監督・規制する官庁ですから、是非とも知っておきたいところです。



登場人物名は全て仮名です。



I県警のある所轄では同僚を階級で呼ぶ習慣があるようでした。

例えば佐藤巡査、田中巡査部長などです。



巡査部長は呼称が長く省略し○○部長と呼ばれていました。上司である課長や係長は職位名で呼んでおり、部下からは例えば「鈴木警部補」などとは呼びません。



呼び方基準に「階級と職位」が混在するダブルスタンダートな習慣でした。



自店の山本主任(当時32歳♂) 



よく言えば明るくおおらかな性格。悪く言えば がさつで大雑把。



担当官の入替検査訪問時、ものおじどころか、かしこまった素振りも無く、また、所轄での呼称に倣い「さん」でなく「部長」。



「ちはーっす。田中部長お疲れサマッ」とこんな感じの対応です。



担当官はそのフレンドリーな山本主任の対応で和むのか、結構おおらかな検査…のような感じでした。あくまで「感じ」です。



そんなある日のこと、新しい生活安全課長が赴任され、店長の私と主任の山本でごあいさつに伺うことになりました。



新課長は非常に丁寧な方で、こちらのあいさつに対して、御自身の名刺を出されました。



「I県警 △署 生活安全課長 警部 山田太郎」



生活安全課の方がパチンコ店に名刺を出すことは珍しいことです。ましてや課長となるとそうそうもらえるものではありません。



差し出された名刺をかしこまって受取る私。



一方の山本はな・な・何と…



「へえー、警部さんですか。ペッパー警部と同じですね。幼い頃、ピンクレディーとペッパー警部にはお世話になったんだよね」



一同シーン。



私は場数を踏んできたつもりですが、そんな私ですら頭の中が真っ白。



固まってしまいました。



私の心の声「おい、山本! 空気を読めよ。ここはかしこまる場面でしょ」



山田課長(大物?)が かすかに会釈をしてくれたのがせめてもの救い(私が勝手に会釈と思っているだけで実は苦笑い?)。



その後の検査がおおらかでなくなった気がしてなりません。



後日談ですが、山本主任は、「課長よりも部長がえらい」と思っていたらしく確かに世間ではそうなんですが、巡査部長と部長は別です。



つまり、「階級と職位」の区別がついていません。いつも(巡査)部長にタメ口なので、その部下であると勝手に思っている課長にもタメ口で良いと判断したようです。



「事前に警察組織や階級を説明しなかった責任が私にある」と今更ですが、説教を兼ねて念入りに説明いたしました。



説明後、「ということは警視は軽視してはいけないということですね。ケイシを軽視なんちゃって」と山本主任。



「この人は懲りないわ」と心の中でつぶやく私。



しかし、彼には周りを朗らかにさせる天性のオーラがあり、放し飼いが賢明かと、、叱責も半減。ほんと、憎めない人物でした。



因みに警察官の階級はこうです。



巡査→(巡査長)→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監



巡査長は正式な階級ではないので( )としています。



一般的に課長クラスは警部、署長クラスは警視、本部長クラスは警視正や警視長が相場だとか。



興味のある方は調べてみてください。



余談ですが、今回紹介したI県警は「一物一価」遵守を徹底したパイオニアです。



4年前の2008年、担当官と話す機会があり、「他府県では」などと決して口に出来ない緊張感の下、「二物二価」について、見解を求めました。



「たばこ、お菓子など一般景品はパチンコ用、スロット用と分けないのに…。買取ありきの手法は容認出来ない」と一喝されました。



今ではアラフォーとなった山本主任。風の便りではお客様にもスタッフにも慕われる店長に成られたようです。





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