舞台は地方のとあるホールだ。
従業員と客の恋愛物語である。
先に声をかけてきたのは客だった。従業員はアルバイトから正社員になって2年。20代後半の男性。
そう、客が女性で従業員が男性だった。
会社には内緒で付き合っていたが、結婚することになってけじめをつけるために会社を辞めることを申し出た。
2人が付き合うようになったきっかけは、ホールの近くにある街道沿いのラーメン屋で深夜、偶然出会ったことだった。
男性が一人でカウンターで食べていると、店の客である女性が隣に座ってきて「ラーメン好きなの?」と声をかけてきた。
男性は驚いたが、いつも店に来ているお客だったので少し安心した。
その場でラーメンの話で盛り上がり、「じゃ、今度一緒にラーメン食べに行こうね」と女性の方が積極的だった。
その時は社交辞令的に終わったが、偶然は重なるものだ。
今度はホールから20キロも離れたラーメン屋で再び出会うことになる。
その時、男性従業員には付き合っている彼女がいた。その彼女が住んでいる街のラーメン屋だった。
絶妙のタイミングとはこのことだ。ちょうど別れ話が出ている時だった。遠く離れたラーメン屋での再会に運命を感じて付き合いが始まり、深い仲となった。
会社に退社を申し出ると店長は止めた。真面目な働き振りが気に入っていたからだ。しかし、男性従業員の意思は固かった。
そして男性従業員の送別会が開かれた。
客の女性はその後も店に来た。
いつも軽自動車で来るのだが、なんと大資産家だった。一人っ子の旦那さんが死んだためにその女性の下に遺産が転がり込んできた。
旦那さんの両親とも同居していたが、老人ホームへ入居させた。
近所の目もあるので普段は軽自動車に乗っていた。
ここまで書くと女性の年が気になるころだ。
何と50代のおばさんで親子ほど年が離れたカップルだった。
地元では有名な資産家で、ホールのオーナーとは顔見知りだった。オーナーは跡継ぎもいないので、この先店を続けていく気力を失っていた。
で、そのおばさんがホールを買収する話が進行しているそうだ。
おばさんとしても若い旦那さんにホール経営をやらせた、との思いがあるようだ。
部下だった社員がオーナーとして店に帰ってくる日も近いようだが、店長は「もう少し可愛がっておけばよかった」と複雑な心境のようである。
続編は新たな情報が入り次第。
ちなみに、おばさんは阿川佐和子をもっと可愛く美人にした感じだとか。
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