これは今年の春先に聞いた話だが、この時点ではパチンコメーカーはむしろ役比モニター搭載を回避できると思っていた節もある。閉店後にベースに玉を入れて帳尻を合わすことができるので「そもそも意味がない」としていた。コンピュータの帳票を見ればベースは出ている。わざわざ、パチンコ機本体に付ける必要はない、と捉えていた。
この件で、3月8日の衆議院内閣委員会で民進党の高井崇志議員が再び質問に立っている。同議員は昨年4月の同委員会でも役比モニターの設置を提案している。パチスロは自主的設置をすでに決定しているが、パチンコはその予定がないことに不満を募らせて、松本国務大臣に迫った。
松本国務大臣の回答を要約するとこうなる。
「パチンコの性能表示機能は射幸性を抑制するためにも、出玉性能が簡単に分かり、過度な射幸性を防止することができる遊技機の開発を日工組にも指導している。その実現への取り組みを警察としては見守って行く」としている。
今回の風営法の遊技機規則改正でついに高井議員の意見が盛り込まれている。
それがこの一文である。
出玉情報等を容易に確認できる遊技機に係る規格の追加(遊技機規則別表第2~5) 遊技機の射幸性が過度に高まることを防止するために、出玉情報を容易に確認できる遊技機に係る規格を定める。
つまり、高井議員が求めていた役比モニターの遊技機搭載が決まった、ということである。
健全化推進機構の立ち入り調査で分かったベース問題に端を発し、検定機と性能が異なる可能性がある遊技機撤去問題へと続き、ベース殺しは、くすぶり続けていた問題でもある。
役比モニターが搭載されるということは、ホールはベースを殺すことができなくなることを意味している。そもそも、釘調整できないアクリル釘に素材を変更すれば、そんな役比モニターを設置する必要もないのだが…。
役比モニターでは一般入賞口の入賞が30%以上でなければならないということで、30以下の低い数字を表示していたら、ベースを殺していると見做されることになるのであろうか。
日電協は率先して5.9号機から役比モニターを搭載するが、パチスロはプログラムの世界なので、ホールがベースを弄ることはできない。ところが、パチンコは釘調整によって容易にベースを変えることができる。
日工組の不正を追及するために、敢えて日電協が率先して役比モニターを搭載した、というのは穿ち過ぎか?

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