パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

アドバイザー制度とは稼働を上げることを否定するようなもの

警察庁からパチンコ依存症対策を迫られて全日遊連が4月からスタートさせたのが、その名も「安心パチンコ、パチスロアドバイザー」の育成だ。

これは21世紀会が主催する講習会に参加して、依存症に対する知識を身に着け者が、その予防と対策に関してアドバイスができる、というもの。1店舗に最低1名のアドバイザーを置かなければならない。将来的には1店舗に3名ずつの配置を考えている。

アドバイザーの講習を受けて修了書をもらった店長2人から、この制度に疑問を投げかける声が寄せられた。

「このアドバイザー制度は外向けに、パチンコ業界は依存症対策をきっちりやっています、というアピールしているのだと思うが、実際、運用していくとなると甚だ疑問です。常連客に声掛けするということは、あなたは依存症=病気と言っているようなもの。そんなことを実際にはできない」(A店長)

アドバイザーの役割としては、依存症と思われる常連客に対して、RSNの電話相談への紹介や自己申告プログラムの案内を行うこととなっているが、本当にやらなければならないのは、今日はもうおカネを使い過ぎているから、打つのを止めて家に帰ることを促すことだろう。

「お年寄りの常連さんは家ですることがないから、1日ホールで時間を過ごしているわけです。1日打っていることを依存症と判断とするのか? ちゃんと運用するには組合が定めた明確な基準が必要だと思います。固定客は常連さんであり、毎日来ているからそれが依存症になるのか? 常連の1円客は依存症なのか? すごく、アドバイザーが重荷になる。常連さんには絶対声は掛けられない。トラブルの元になるだけ」(B店長)

こうした店長からの声に対して、オーナーは「ポーズだけでいい」と言われたが、2人は納得しなかった。

依存症の自己診断チェックシートはあるが、2人の店長が言わんとすることは、こういうお客さんには店から声を掛けさせてもらいます、という共通の基準を組合で作ることが必要ということだ。そういう共通の物差しがあれば声も若干掛けやすくなる。

A店長が話を聞きやすい常連客に声掛けについて、率直な意見を聞いてみた。元中小企業の社長で今は子供に社長をバトンタッチして、隠居生活を送っている常連客である。

「今まで客に対して粘ることを教育しておきながら、いきなりそれはねえだろう。都合のいい業界だな。俺を馬鹿にするな。俺は借金もしていない。依存症扱いにするな。今まで散々シャブ漬けにしておいて、いきなりシャブを止めろと言って様なものだ」とドヤされた。

声掛けは売り上げが減るだけでなく、怒られることにもなるので、やりたくないというのが現場の本音だ。

怒られてトラブルにならないための声掛け基準が必要だが、角を矯めて牛を殺すことを業界を一生懸命実践しようとしている。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。