巨大化による価格と重量アップに歯止めをかけるためである。巨大化戦争は見栄えが派手でホールに買ってもらいやすくなる。加えて、巨大化した筐体に付属された様々なギミックなどは値上げの口実ともなる。ホール側にしてもここまで立派な造作だと、ついつい値上げにも納得してしまう。
新台が売れなくなる状況でメーカーは売り上げを維持するには、値上げしかない。その値上げを納得してもらうために、筐体は巨大化して行くのであった。
全日遊連からの要望を受けて、日工組メーカー内でも巨大化開発にペンディングがかかろうとしている。
「営業サイドからは売るためには巨大化を望む声が強い。一方の開発はお客さんは盤面しか見ていないので、巨大化には反対しています。営業と開発のせめぎあいで経営陣も判断に迷っています」(メーカー関係者)
巨大化で値上げができないとなれば、安価な機械を出してシェアを確保する、という選択肢もある。安価な機械とはズバリ、非液晶搭載機ということになる。
液晶を使えば、コンテンツが必要になり、莫大な版権代がかかる。さらに、映像を作るのにも膨大なコストがかかる。
非液晶機ならこのコストがかからないので、大幅に安い機械を提供することができる。
コストのかからない非液晶搭載機とは、ドットやドラム、アナログ役物などが考えられる。この手の機械であれば仮に25万円で販売しても10万円の利益は確保できる、という。
来年2月1日からは改正風営法が施行され、3年後には全部が射幸性を抑えた新基準機に入れ替わる。低射幸性時代の到来で50~60万円もする機械代をペイできるはずもない。
「客が付かなくなると巨大筐体のコーナーは非常にみすぼらしいものがあります。本当に図体がデカいだけでウドの大木に見えてきます。馬鹿でかい筐体は本当に勘弁して欲しい。デカくなった分が10万円分だったが、その価値も感じられない。取り付ける労働環境が悪くなった分マイナスしかない」とホール現場からも不満の声が挙がる。
こういう現場の声と低射幸性営業時代を考え併せると筐体の巨大化と価格の高騰には終止符が打たれるのも時間の問題だろう。
警察庁はカジノが解禁するまでに必至になって、フィーバー前の遊技として認められていた時代に戻そうとしているのだから、いつまでも40万円の新台価格を維持することも厳しくなる。
機械代は安いか高いかではなく、その機械がどれだけ利益貢献したかによって評価が下されるが、ホールにすれば安いことに越したことはない。
25万円の機械代がスタンダードになる日が3年後には訪れているのか?

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