「大手ホールがうちの営業部と見解をすり合わせしていました。ホールとしては来年1月までは現行の規則で3年とはいわないまでも、1年から1年半は使える機械を出して欲しいというのが本音ですね」(パチンコメーカー関係者)
3年間の検定期間まで目一杯使いながら、新基準機の様子を見ようという腹積もりのようだ。明らかに性能に違いがあるわけだから、業界に残された猶予期間は3年間ということになる。ただ、実機が市場に登場していない以上予測は困難だが、新基準機で市場がどう変化するかはネガティブなものしかない。
「まずホールさんから要望があったのは、初当たりまでの投資金額を抑えることです。旧基準機が1万円投資して、1万円返ってきたとしたら、新基準機は1万円投資しても6000~7000円しか返って来ないイメージです。出玉が3分の2になるなら初期投資も3分の2まで抑えることは必然です。でも、出玉がしょぼくて、取り戻せないことが、3~4回も続くと、本当にパチンコから引退してしまう。そうなると、初期投資額は今の半分にしないとダメ。とにかく、元が取れる状況を作らなければダメです」(同)
ホール側からは新基準機を小台数でいいので、作ってもらって、来年2月を待つのではなく、今からすぐにテスト導入して市場の反応を見たい、という声もあったようだ。今後の事業計画を立てるためにも必要だ。大半のホールは旧基準機を1月までに駆け込みで入れ替え、2月以降は様子見を決め込むことだろう。ということは、新基準機は当初はあまり動かない可能性がある。メーカーとしては新基準機でも売れる機械を是が非でも作らなければならない、ということだ。
となると、裏をかくメーカー出てくるということか?
「スロットは相当厳しい。ジャグラーのようなAタイプで、誰が打っても単純で分かりやすい説明書もいらないスロットへシフトするメーカーもあります。ただ、あのメーカーならパチンコで裏をかいてくるかも知れませんね。ホールさんはお客さんにおカネを使ってもらわなければ、粗利も取れません。ただ、粗利を取りすぎるということはお客さんが飛ぶスペックですからね」(同)
ここで話は依存症対策に及ぶ。
「依存症対策をメーカーに押しつけていますね。出玉規制で5万円以上出ないから諦めるだろうといわれていますが、それで諦めないのが依存症の人ですよ。自己申告制度も含め、警察の依存症対策は上に対するポーズ」(同)と切り捨てる。
来年2月以降にお客さんを飛ばさないようにするためには、今から飛ばさない営業をしなければならない。そのためには店の利益を下げる。粗利をそんなに取らないということはお客さんにはプラスに働く。
借金のないホールは数少ないが、それができないホールは退場するしかない。2月以降は優良ホールが残り、お客さんのためにはいい業界になる、ということか。

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