コロナ禍でロシアからの往来もなくなり、閉店を余儀なくされた。何年経営していたか、スロットの台数は不明だが、手元には8000万円が残った。
コロナ前からロシア人経営者の仲間が、中古車と一緒に中古のスロットもロシアへ送っていた。4号機を中心にジャグラーなどを累計で200台には達していた、という。
ロシアへ中古スロットを送る理由は、目的は一つ。スロットを使った裏カジノだ。ロシアの極東地域は娯楽施設もない街なので、すぐ人気に火が付き、現在は2店舗経営しているそうだ。
最初は日本の等価営業を真似て、等価交換でスタートした。当然設定1しか使わないので、遊べないことから客からは大顰蹙を買うことになる。そこで、交換率を50%にして設定を入れることで盛況となった。
ロシア人経営者は「ロシアや中国で日本のスロットが認められたら世界中に流行る」と太鼓判を押す一方で、日本のホールが衰退している原因を「等価交換」と断言する。ロシアでの裏カジノとは言え、なかなか鋭い指摘でもある。
実際、パチンコ業界も等価交換が衰退原因と分かっていながら、今、残っているユーザーが等価志向なので、低価交換に踏み切ることができないまま、ズルズルと来ている。
等価交換営業の弊害にまつわるエピソードがある。
中国・武漢からパチンコをやりたくて、やりたくて3年8カ月もうずうずしてやっと来日で来た青年のその後だ。
日本の滞在期間は10日。軍資金は50万円。
コロナ禍が始まった時に初めてパチンコをやって、2~3回も勝ったことからパチンコに嵌ったわけだが、今回は6日連続で負けっぱなし。50万円の軍資金を使い切る前に「もう止めた! あれだけ夢にまでみたパチンコが嫌いになった。もう絶対にやらない」と宣言した。
10日間で50万円を使い切ってもいいと考えてはいたようだが、6日連続の負けは相当堪えたようだ。彼の場合はパチンコなので、最低限スタートが回らないことには、勝てるチャンスも少なくなる。
回せない原因は等価交換であることは言うまでもない。ぶん回すだけでお客のストレスは解消できるが、等価ではそれができず、お客のストレスはたまる一方で、「もう止めた」となる。
こんな分かり切っていることが解消できないのだから、自滅の道を進むだけだ。

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