パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

オーナーのエンディングノート

オーナーはエンディングノートを書く年齢になっている。自分が死んでも家族が困らないように財産の処分もやっていかないと、残された家族が大変なことになると思ったからだ。エンディングノートに優先順位を付けてすべきことが書かれている。

現在、ホールが何店舗あるのか定かではない。息子は跡を継いだが「お父さんの代で手仕舞いして」と宣言。今は別の道に進んでいる。

パチンコ業界が栄華を極めた時代を謳歌してきた。儲かったおカネは自分の趣味にも使った。その一つがヘリコプターだった。

操縦士免許まで取得すると自家用ヘリコプターを買った。それだけではなく、セスナの免許まで取得してセスナも操縦していた。

寄る年波にヘリコプターの操縦にも自信が持てなくなった。それ以上に駐機代やメンテナンス費用を考えると手放すしかない。ヘリコプターが着陸できるスペースがある別荘まで購入していた。

ヘリコプターを売るにも買い手が簡単にはつかない。そりゃ、クルマのように誰もが運転できるわけでもなく、中古のヘリコプターが欲しい層なんて本当に限られてくる。年式がどれぐらいのものかも分からないが、知り合いのメーカーの営業マンに「50万円でもいいから買い手がついたらその50万円をそっくりくれてやる」と。

ちなみに、今は新台を買っていないので取引がなくなって暫く経っている。

別荘も売却したいのだが、これが伊豆や軽井沢という人気の場所でもない。だから、別荘も売れない。

趣味人のオーナーはヨットも所有していた。これも係留費やメンテ代でおカネがかかるので売却。こちらはヘリコプターのように難儀することなく30万円という超破格値で買い手はついた。

ヘリコプター、ヨットの次が車だ。

こちらはフェラーリのデイトナを所有。中古価格でも希少性から2000万円は下らないようだが、こちらは需給バランスで売ることに困ることはなさそうだ。

パチンコマネーをこうして使ってきたが、ロレックスにも糸目がなかった。全部で12本をコレクションしている。唯一買った時よりも値段が下がらなかったのがロレックスだった。

儲かっていた時はオーナーの年収は1億円を超えていた。

で、現在の年収が550万円。税務署が怪しむ凋落ぶりだが、店舗数や売り上げを考慮すると全くノープロブレム。

息子も跡を継がない。ホールを売却しようにも北関東の片田舎では買い手も付かない。オーナーは社員にのれん分け制度でホールを譲ろうとしたが、誰一人として手を挙げる者はいなかった。

パチンコバブル・エンディングノートの悲しい結末でもある。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える


※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

4年ぶり業界組合忘年会でホール関係者から出た愚痴

コロナ禍で中断していたホール団体の忘年会が4年ぶりに開催された。久しぶりとあって会場には50人あまりが参加した。

最初は静かなスタートだったが、酒が回ってくると参加者から出てくるのは愚痴のオンパレードだった。

「機械代の支払いがキツイ。30年前に比べると給料は上がっていないのに機械代だけは3倍に上がっている。それを早く回収するのは、お客さんが飽きる前にするため」と口火を切るとメーカーの悪口のオンパレード。

「ホールが玉を出せなくなったのは、メーカーの機械代が高いからだ。メーカーの支払いのために店を開けているようなもの」

「メーカーは新台がないとわれわれの商売ができないことを知っているから、機械代を下げることは絶対しない。仏壇筐体を作るなと言っても聞く耳を持たない」

「メーカーが上場したことがそもそも間違い。メーカーは株主の顔色しか窺っていない」

メーカー批判が終わると、次は大手ホール批判へ。

「〇〇〇〇が等価を先導したことで業界がおかしくなった。台数規制も撤廃され、大型店が小型店をどんどん駆逐して行った」

「半休日の自主規制があった時代が、みんな仲良くやっていけてよかった」と昔を懐かしむ。

「10年先までやっていけるかどうか自信がない。今ある10店舗がどこまでキープできるか全く見通せない」と本音も出る。

ひとしきり言いたいことを口に出して言ったことで、それはそれでストレス解消のはけ口にはなった。

「お客さんのストレスが溜まっているのはホールが玉を出さないから」とツッコミも入るがそこは笑ってごまかすしかない。

宴もたけなわ。恒例のビンゴ大会が始まった。毎回1番目のビンゴの人には超豪華景品の1点主義で、2番手以降はたいした景品は用意していない。
今回の1等賞は旅行券(20万円分)だった。

で、1等に当たった人が「業界人は今大変な思いをしています。業界が苦しい時こそ皆さんの協力が必要」と旅行券を配り始めた。

額面は1000円だが、1000円の旅行券をもらっても使い道に困るというもの。そこで、これは次に開催される新年会の軍資金として使うことになった。

2次会の席でこの行為が話題になった。

やはり、分けられない商品にしないとダメだ、ということになった。

次回の新年会はビンゴの代わりに、ハネモノを設置しているホールでの出玉競争という案も出ている。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

装飾で売り上げが上がるほどパチンコ営業は甘くない

ホールオーナーの親せきが調剤薬局を経営している。今回、店舗を改装したところ売り上げが1.3倍になった、という。

改装しただけで売り上げが増加したことにオーナーのアンテナが敏感に反応した。

では、どんな改装だったのかというと、イメージしたのはカルディコーヒーファームだった。


これはコーヒー豆の販売店で、調剤薬局というイメチェンを行うのに参考にした。店頭にはコーヒー豆の樽をレイアウトして健康食品の販売も行っている。

調剤薬局のイメージをガラリと変えたことが売り上げアップに貢献したわけだ。さらに、今年はもう終わったが「私なら思わず写真を撮りたくなるようなクリスマスツリーを店頭に飾る」とアドバイスした。

この話を聞いて、オーナーは早速、「思わず入りたくなる装飾を考えろ」と店長たちに指示を飛ばした。

装飾が目を引いてそれでホールに入ってくれたら店長たちは集客に苦労しない、というもの。オーナーはパチンコ営業の本質を理解しているのだろうかと疑いたくなる。

パチンコ業界が全盛期の頃はあり余る資金で、壁面が時間ごとに割れる奇想天外なホールから、UFO型、ピラミッド型まで斬新な意匠のホールが全国に出現したものだ。最初の話題性だけで、突飛なホールは突飛であればあるほど短命に終わる傾向がある。

そんな装飾などという小手先はパチンコ業界では通用しない。なぜなら、ユーザーはそんなことは1ミリも求めていないからだ。ノンユーザーがそれに注目して写真は撮ったとしてもそれで終わり。中まで入ってパチンコを打ってくれることは宝くじの1等に当たるような確率かも知れない。

ホールオーナーがしなければいけないことは、等価交換でスタートが回らない営業形態を変える努力だろう。装飾で集客に期待するホールオーナーに「あなたは何年ホール経営をやっているのか」と問い詰めたい。

本来、パチンコとスロットは遊技性が全く別物なのだから、一物一価などと現場を知らない警察の判断を覆し、二物二価を認めてもらうように、業界から政界に議員を送り込むことをしないとパチンコ業界は何も変わらない。

パチンコを無理にスロットに合わせるものだから、その歪みが顕著になり、パチンコとスロットの設置比率まで逆転現象を起こそうとしている。パチンコメーカーにしても由々しきことだ。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

ホール店長の年収を凌駕するタクシードライバー

ホール店長はノイローゼになって精神科医の門を叩いた。

毎晩寝ることも出来ないくらいノイローゼになった原因は、自分自身が関わった不正だった。知り合いや身内に設定漏えいやスタートが回るパチンコ台情報などを教えていた。小遣い稼ぎにもなった。

毎日来るわけでもなく、時々勝ちたいときに来る、というレベルだったが、「もっと出る台を教えろ」と要求がエスカレートしてきた。加えて「教えないとバラすぞ」と脅迫されるようになった。

会社に不正を働いていたことがバレることが恐ろしくなり、毎日が針の筵。精神的にどんどん追い詰められていった。

社内で相談できる問題でもない。頼るのは利害関係のない精神科医だった。

精神科医の役目は患者の話をよく聞いて気持ちを楽にさせることだ。今回の件は精神安定剤では効き目がないことだけはハッキリしていた。

精神を安定させるために医師がアドバイスしたことは「業界から去ること」だった。相手はヤクザでもないので追い込みもないことも考えられたため、結果的にはホールを自主退職することになる。

それから時は2年ほど流れる。

店長から医師に連絡があった。それは辞めることができたことへのお礼も兼ねていた。

現在はタクシードライバーでホールの店長時代の年収を上回り、ことしは650万円ほどになり、「本当にいい生活が送れている」との報告だった。

精神科医の分析では元店長は良心のある人間であることは分かっていた。性根が悪い人間は一度悪の道に進むととことんやるが、そういう人間ではなかった。

タクシードライバー歴1年半で店長時代の年収を越したのは、都内のタクシー特需がある。コロナの時は稼げなかったが、この時に都内の道を覚えた。地方ではそこまで稼ぐことは難しい。

このタクシー会社で年収トップは900万円で、27歳の女性ドライバーだ。大学新卒でタクシー会社に入社して5年目だ。英語が話せるように車内ではスピードラーニングの英会話を聞き続けている。英語が話せるとインバウンド客のチップも入ってくる。平均すると500円から1000円。

なぜ、大学新卒でタクシー会社に入社したかというと父親が今でも個人タクシーをやっていて年収は常に1000万円レベルからだ。いずれ個人タクシーを開業するために今は修行の身でもある。

父親は夜型稼働で、ラジオでニュースや交通情報や天気予報が貴重な情報源だ。タクシーの必要経費は売り上げの25%。そういうコツを身につければ1000万円を稼ぎ出すことができる。

かつては店長になれば年収1000万円がホールのウリだった時代もあった。



人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。

新台を導入しても稼働を上げる自信がない店長が選ぶ選択とは

稼働が上がらなくて自信を失っている店長は少なくない。北関東のホールに勤務するAさんもその一人だ。

年末年始の書き入れ時を前に、A店長のホールには66台もの新台が投入される。今の時代では結構な台数とも言える。しかし、その分、会社から与えられた売り上げ・粗利のノルマは相当キツイ数字だ。厳しいノルマがA店長の心を押しつぶす。

新型コロナが5類感染症に移行したのは今年5月8日から。いよいよアフターコロナ時代に入り、入国規制が取っ払われて、10月のインバウンド客は251万6500人で、2019年比0.8%増(2019年実数:249万6568人)となり、コロナ後で初めて2019年の実数を上回った。

コロナ禍で失った売り上げを取り戻さんばかりの絶好調な旅行・観光業界とは裏腹に、パチンコ業界は今一つ盛り上がらない。レジャー白書2023では、パチンコの参加人口は前年比50万人増の770万人となっているが、市場規模は前年から横ばいで回復は見られず、2019年比では73.0%の水準にとどまっている。

A店長の心に重くのしかかるのが会社側からの「去年はコロナだったのだから、今年は上がって当たり前だろう」という認識だ。レジャー白書が示す通り、参加人口は徐々に回復はしてきているが、売り上げは2019年の水準を超えることはない。
会社からは稼働・売り上げを上げろ、と発破は掛けられるものの、具体的な上げる方法の指導が営業本部長からあるわけでもなく、「新台は入れてやっている」のだから上げろ。

これまでのやり方で頑張ってもお客さんが増えることもなく、どうしていいのか分からないA店長のモチベーションは下がるばかりだ。

A店長はこの現状を家に帰ると奥さんに愚痴るしかなかった。奥さんの方も連日の様に同じ愚痴を聞かされるのが嫌になるというものだ。

そこで奥さんが取った行動が凄かった。

「あなた、もう会社辞めなさい。就職先を見つけてきたから」とママ友の紹介で大規模農家を見つけてきた。外国人農業研修生も使っている農家で、後継ぎがいなかった。1年間修業して後は任せる、というような条件だ。

給料はホール店長として貰っている年収は保証する、ということで農業ド素人に提示された金額は580万円だった。
給料に不満はないものの、農業は全くの門外漢で、仕事がキツイというイメージしかないので、即答できないA店長がいた。

奥さんの方は「パチンコ業界にいても将来性がないと言ってるんだから、世の中の役にも立つ農業の技術を身に着けて頑張りなさいよ」と発破をかけられている。

店長も辛いがそれ以上に辛いのは営業部長だろう。店長よりも責任は重く、店舗がどんどん閉店していく状況になれば、自ら辞表を書くしかない。


人気ブログランキングへあなたのポチっ♪が業界を変える

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。