パチンコ日報

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パチンコの進化は本当はつまらない方向への退化だった

Aさんの年齢は還暦過ぎ。現在はヨーロッパで、バイオリン職人で生計を立てている。15年ぶりに帰国して、昔働いていたこともあってホールへ行ってビックリした…。その驚きは後述するとしてAさんの足跡から。

20代は針金細工でネームストラップを作りながら世界を放浪していた。病気になって帰国するが、治ればいずれは働かなければならない。その時の就職先がホールだった。選んだ理由はその日から衣食住に困らないこと。それ以前にAさんのような人物を雇ってくれるのはホールぐらいしかなかった。

世界を放浪していたAさんにとってホールの表周りは、忙しさはあるものの、退屈で仕方なかった。例えるなら蟻の飼育キットの中にいるような感覚だった。

針金細工で生計を立てていたように元々Aさんは手先が器用だった。寮で休みの日には、上級者向けの高難度のプラモデルを作るようになった。いくつか作って行くうちに、高難度のプラモデルを作ると、それが売れることが分かってきた。

そんなAさんにも春が訪れる。バイオリンが趣味の彼女ができる。彼女がバイオリンを弾いている姿を見て、Aさんはバイオリンを弾くことよりも、自分でバイオリンを作ってみたくなった。

今度は休みの日は寮で、本を見ながらバイオリン製作が始まった。音を出すところまで進むと、寮ではうるさくて出来なくなった。

ホールには6~7年勤めていた。

自分の進むべき道は「バイオリン職人」と目標を定めるとバイオリンの本場であるヨーロッパへ渡った。個人の工房で修行を積み、独り立ちして行った。

で、最初の話に戻ろう。

Aさんが一番驚いたことは、玉箱がないことだ。Aさんが現役で働いていた頃は玉箱運びが主な仕事だったのに、その玉箱がないために、床がすっきりしていて、パチンコ店の猥雑さがない。

「玉箱を積んでいる人がいたから、自分も『よし、出してやろう』という気持ちが起こったが、これではそんな気にもなれない」と各台計数機時代を切り捨てる。

1パチがあることにも驚いたが、それよりも全く回らないことには腹が立った。さらに1回の大当たり出玉のショボさに仰天した。

「パチンコが進化したというより、つまらない方へ退化して行っている。これじゃ、パチンコ人口も減る」と妙に納得してホールを後にした。


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