最近の販売台数をおさらいしたところで、話を次に進めよう。
遊技機メーカーはやはり10年、20年先のことを考え、シンクタンクに業界の未来予測を依頼している。そのレポートによると、遊技機の販売台数が150万台を切った時が分水嶺で、そこからは坂を転げ落ちる勢いでメーカーの衰退が加速する、と読んでいる。150万台と言えば、前述した販売台数を見ても分かる通り、10年、20年先の話ではないことは予測できる。
ホールの閉店も歯止めがかからない状態だから、ここ数年のうちに分水嶺に達する可能性はある。
さらにショッキングな報告は、遊技機だけの1本足打法の専業メーカーは大手、中小に関係なく20年後には99%が倒産している、という予測だ。ホール軒数が減れば減るほど販売台数は減少するわけだから、当然の帰結だろう。専業大手は組織のスリム化を図るしかないが、それも延命処置にしかならない。遊技機以外の柱を建てるしかない。
そうならないために、メーカーがすべきことは日報でも何度も取り上げていることだが、やはり海外進出しかない。有望な市場はやはり人口ボーナスが期待されるインドなのだろう。人口ボーナス期では豊富な労働力を背景に個人消費が活発になる一方、高齢者が少なく社会保障費用が抑えられるため、経済が拡大しやすい。
もう一つは、パチンコ・パチスロ以外の遊技機の提供だ。ここには風営法の壁があるが、それにとらわれることなく、新しい客を集客するために、ゲーム機のようなもので、換金ができなくても夢中になれる第3の遊技機の開発だ。換金という発想を一旦リセットすれば、奇想天外な発想も生まれるというものだ。
パチンコには換金というアドバンテージで遊技ながら成長してきたが、日本は給料は上がらないのに物価や消費税、社会保障費は上がるばかり。そうなれば必然的に下がるのがおカネのかかるレジャー費だ。メーカーの将来も明るい兆しはないが、日本国民が豊かなにならなければ、レジャーどころではなくなる。

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