どういうことかというと建築会社の人手不足を解消するために4社がグループを組んで、建築現場へその4社が人材を派遣しているのだが、その中の1社がホール企業、ということ。
今のホールの現場仕事は各台計数機の普及により、玉箱を運ぶ作業がなくなったため、比較的少ない人員で回すことができるようになって久しい。そのホール企業は希望する従業員に現場仕事へ行くことを推奨している。
このシステムには建築会社、ホール、従業員の3者がwin win winの関係が構築されている。建築業界の人工出しは派遣会社に2万円を支払い、実際に働く作業員には1万3000円を払う。派遣会社は7000円の利益になる。
このシステムではホールに1万4000円支払い、うち、7000円が従業員、7000円がホールの取り分になる。これでは一見、従業員にはメリットがないように見えるが、従業員にはホールの給料の他に7000円がプラスされる、ということだ。ホールの仕事はしなくてもホールの給料は貰える。
建築会社は通常よりも7000円安く作業員を確保できて、ホールと従業員にはそれぞれ7000円がオンされる。
ただ、この従業員や作業員の貸し借りが労働者派遣や労働供給に該当すると判断されると、違法行為になってしまう可能性があるようだ。
厳密にいうと建築業界では派遣は認められていない。工事は専門家・分業化した複数の企業が1つの工事現場で作業をして工事を完成させる、という重層的な下請け関係が特徴。派遣というのは、雇用主とは別の事業主の指揮命令下に入って働くということ。
重層的な関係でもともと責任が曖昧になりやすい構造の建設業界で、派遣を許すと誰の責任なのか所在があいまいになってしまうからだ。
この話はこれぐらいにして、次に進もう。
工事現場の監督は大学で建築科を卒業した人が従事しているのだが、その中に実家がホールだった人がいる。和歌山で3店舗を経営していた。本人は3男なので自分の好きな道に進んだ。
この建築会社は当該ホールの建築をしたことがあった。それで次の仕事が取れたらという思惑もあり採用したが、「もうパチンコはダメです」と現場監督。あては大きく外れることになる。
それどころか、3店舗あったホールはコロナ前にはすべて閉店していた。ホールを継いだ長男は、今はダンプカーの運転手をしている、という。

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