パチンコ日報

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新基準機入れ替えのネックとなる機械代をメーカーは下げるのか?

低貸しコーナーのビジネスモデルは、4円、20円で使ったお下がりを中古で安く買えるから成り立っているのは言うまでもないが、低貸しコーナーが存続の危機に直面している。

2021年1月末日を持って新基準機に切り替えなければならないのだが、新基準機のタマ不足が不安に拍車をかけている。

全日遊連は健全なパチンコ営業に向けて、旧基準機のうち、検定・認定の有効期限を過ぎた遊技機の撤去を推進していて、期限を過ぎたみなし機については、速やかな撤去を要請している。旧基準機でも比較的射幸性の低いみなし機については、今年12月末を持って撤去することを決議している。

みなし機を撤去しようにも新基準機が少なすぎて、選択肢がない。

「入れ替える機械がないので機械予算を消化しきれていません。外したいのに入れ替える機械がない、というのが実情です。ちょっとでもいい機械が出ると奪い合いになることは必至です。大手などはこれまでの購買実績からメーカーへ優先的に機械を回すように要請しているようです。大手が入れ替える機械がないからといって、新基準機の入れ替え期日を過ぎてベニヤ板営業をするわけにはいきません。それ以上にきついのはわれわれ販社です。売るものがなければ、売り上げも立ちません。たくさん機種が出てくれないと出番もないので、給料も払えない状態です。この1~2年で倒産する販社が続出するのではないでしょうか」(販社社長)

ホールは入れ替える機械がなくても、営業していれば日銭が入るが、販社は売るものがなければ、売り上げは立たない。

ホール関係者は新基準機の入れ替えについてこう話す。

「4円の稼働がある店で新台を買っていたが、今はそれもできなくなっています。低貸しの収支では新台など買えません。そもそも新台入れ替えで客を呼ぶビジネスモデル自体が崩れています。旧基準機の入れ替えにはものすごいおカネがかかりますが、新基準機は売り上げも粗利も間違いなく下がります。現場は人手不足。間接部門でカネを生まない部署の人間をリストラしたり、何店舗かは潰す判断をすることになると思います」と悲痛な叫びを上げる。

4月22日、全日遊連は日工組と日電協に対して「新規則機の市場への適切な供給について」と題する要望書を出した。

要約すると低貸営業では高額な新台を買えない厳しい経営状態に陥っているので、機械代をなんとか安くしてくれ。そうでなければ廃業するホールが続出する。ホール軒数が減るということはメーカーも淘汰される。そうならないためにも、機械代を安くして欲しいというお願いだ。

メーカーにすれば、新基準機への入れ替えは特需だ。特需でメーカーだけが潤うのではなく、特需セールとして時限的に安くする。

この要望をメーカーはどう受け止める? 一度下げた価格は二度と上げることはできない?


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幻と消えたファミレスでパチンコ

業界市場が右肩下がりしているのはパチンコ業界だけではない。外食不況と言われる中でファミレス業界が厳しい立場に立たされている。

ファミレスとは、客単価は500 円~2000 円で、 料理提供時間に3 分以上を要し、客席は 80 席以上、という定義がある。そのほか、チェーン店展開されていて、主な客層が家族連れで、「和洋中」と幅広いメニューが揃っていることが挙げられる。

ファミレスの客数推移は、2005 年以降マイナス成長が続いていて、消費者のファミレス離れが進んでいる。長引く不況でサラリーマンの給料は上がらず、質より安さを求める客が増えたことがファミレス不況の背景にある。ファミレスの中でもサイゼリアに代表される低価格業態が好調なことがそれを証明している。

サイゼリアの後を追うように、すかいらーくは「バーミヤン」「夢庵」などの不採算店については、低価格型店舗の「ガスト」 へ業態変換している。

深刻な人手不足を背景にロイヤルホストのように24時間営業を完全廃止したケースもある。

ファミレスが衰退する一方で健闘しているのが回転寿司チェーンだ。今やメニューは寿司だけに止まらず、うどん、ラーメン、デザート、スイーツとバリエーションを広げ、子供や女子高生が喜びそうなメニューを増やして集客を図っている。衰退するファミレスをしり目に、回転寿司業界ではファミレス化が起こっている。

ファミレスは接客を伴うために外国人労働者を簡単には使えないが、回転寿司はオーダーを始めとしてオートメ化が進んでいるので、外国人労働者でも受け入れやすい。

岐路に立たされているファミレス業界の実情を分かってもらったところで、本題はここからだ。

廃業した郊外ホールの物件が大手ファミレスチェーンの下に舞い込んで来た。広い駐車場が魅力的だった。その地区に競合する外食産業もなかったことから、GOサインがかかった。

廃業したとはいえ、ホールにはパチンコ・パチスロを始めとして設備はそのまま使える状態で残っていた。

ファミレス業界は低価格だけをウリにするわけにも行かず、差別化が欲しい。そこで会議の中で出てきたのが、パチンココーナーを一島ほど残し、無料券を発行してパチンコが打てるファミレスだった。

その地区には廃業したとはいえパチンコファンは確実に存在する。そうしたお客を取り込むうえでもパチンコが打てるファミレスを提案した。

ところが上層部には遊び心がなかった。あえなく却下される。

今、ファミレス業界は消費者ニーズに呼応して「安さ」を最優先しているが、安さだけでは収益アップは望めない。価格面以外の差別化が求められている時だけに、実現して欲しかった。



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ATM撤去は依存症対策になるのか?

政府は19日、競馬や競輪などの公営ギャンブルやパチンコの事業者に施設・店舗からのATM撤去や、情報通信技術を活用した入場制限策の研究を求めるギャンブル依存症対策推進基本計画を閣議決定した。パチンコでは本人の同意がなくても、家族からの申告で入店を制限する仕組みを来年春までに導入するよう事業者に促すことも決まった。



業界の入場制限に関してパチンコ・パチスロ産業21世紀会は、2017年12月1日から自己申告プログラムに「家族申告」も加え、運用を拡大している。

自己申告プログラムはさらに2015年10月に遡り運用を開始している。1日の上限金額や1カ月の来店回数、1日の遊技上限時間などの設定値を設け、超えた場合には本人に通知する。新たに加えた家族申告は本人の同意が前提としている。本人の同意がないままに、家族申告でのトラブルになったケースもある。

一方のATM撤去は、「頭が冷えていいのではないでしょうか?」と肯定的なパブリックコメントは少数で、批判の嵐だ。

「ATMを撤去するだけなら意味がないと思います。ATMを設置できる場所は、ギャンブル場から1キロ以内には設置させないと言うようなもっと厳格なルールを定めてください。その場所からATMが撤去できても、ATMが近くにあれば引き出し可能では意味がありません。また、現金が引き出せなくても高級腕時計など金目のものが、交換できる質屋みたいなものも、1キロ以内に作らせてはいけないと思います。ATMの撤去と共に検討してください。別に私は1キロに拘っているわけではありませんが、日本は狭いので、5キロ、6キロとすると実現ができないかなと思っただけです。特に、IRをこれから全国で3カ所整備すると伺いました。北海道、大阪、長崎ぐらいになるのでしょうか。具体的にはわかりませんが、広い土地があるところであるなら、ATM、質屋の設置のキロ数はもっと広げてもいいかもしれません」

「ATM撤去について、依存症の人には無意味と感じます。私もですがATMのない店舗や競馬場の場合、近所のコンビニATMまで走った経験があります。施設内ATM撤去だけでは効果はほとんどなく、最低限半径何キロ圏内のATM撤去や、近隣のATMでは払い出し金額上限設定くらいまでやらなければ効果は薄いのではと感じます」

現在1000店舗あまりのホールにATMが設置されている。依存症対策にホール用ATMは1日の上限金額が3万円、月額上限が8万円に制限されているほか、キャッシング機能は省かれている。むしろ制限のないコンビニATMよりも健全ともいえる。

ところがギャンブル依存症対策基本計画の中で、当初は「ぱちんこ営業所のATM等の撤去」だったものが、「ぱちんこ営業所のATM等の撤去」に修正された。

撤去と断定するのではなく「等」が付け加えられた。単語の後に「等」をつけるのは、霞ヶ関文学の伝統芸と呼ばれ、事実上何でも入れることができてしまう便利な単語だ。

この修正した閣議決定を受け、ホール向けのATMサービスを提供しているトラストネットワークスは19日、次のように見解を示した。

「弊社の抑制機能付き銀行ATMは、これまで取り組んできた抑制機能が一定の評価を得たものと認識しております。従い同ATMは、従来通り設置を継続でき、今後の遊技障害に関する調査研究等に基づきその結果を踏まえ、撤去という方法以外に、適切な抑制機能で対応することも選択肢として示されたと考えております」

公営競技も撤去から抑制機能付きATMに切り替えるか?



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勝っても負けても数千円のレベルで遊技人口の復活はありか?

群馬県でレタス農家を営んでいるAさんは、これまで4パチしか打たなかった。曰く「1パチは貧乏人がするもの」という信念があったからだ。ところが、今は車で1時間もかけて隣町のホールで1パチを楽しんでいる。

「4パチは客がいないので、勝てる気がしない。それで1パチが流行っている隣町の店まで来るようになった。1パチは客がいるので勝てる。4パチは1勝9敗だったが、1パチなら4勝6敗ぐらいになった。最も勝てても2000~3000円だけどね」

1日の農作業を終えて、1~2時間遊んで、勝っても負けても数千円。1パチで大勝ちすることはないが、それでもAさんはパチンコで遊べたことに満足している。

これが本来の娯楽としてパチンコを楽しむ姿だろう。そして、政府としてもそこに引き戻そうとしている。

勝っても負けても数千円。このレベルはまさにフィーバーが登場する以前のパチンコの姿である。

ハードランディングで一気にここまで戻すと業界が大混乱を来すために、出玉規制で3分の2までに抑え、4時間打っても5万円以上勝てる機械は作れないようにしているが、フィーバー前の状態になれば、ホール経営のうま味はない。

フィーバー以前はホールを息子に継がせるオーナーは少なかった。高等教育を受けさせて医者や大学教授にさせるケースもあった。それがフィーバーの登場で儲かる商売に一変したことから、外へ出ていた息子たちが次々に呼び戻された。

2世経営者は儲かっていたからホール経営をやる。儲からなくなれば止める。そんな発想からなのか、大型店で繁盛店を連発させていた有名どころのホール企業のM&Aが顕在化している。弱小店舗が身売りするのとは訳が違う。今が高値で売れるタイミングということなのだろうか。

ホール経営者の意識は確実に変化してきている。その一方でメーカーは何を考えているのか?

「ホールが機械を買えない、という声を営業が上げてきます。機械代で5万円ぐらいなら圧縮することはできるが、まだ先の話ですね。このまま行けば売り上げも10~15%の割合で年々下がり続けるかも知れません。いずれ、安い台を開発しないと売れない時代が訪れるでしょう。20万円台の機械を開発することはできますが、経営陣はそんなことはしません。販売台数が下がる中で利益を確保しなければならないからです」(大手メーカー関係者)

メーカーとしてもジレンマに陥っている。巨大になりすぎた組織を維持するには安い機械を販売することはできない。

価格を下げたくないのなら、せめて遊技人口のすそ野が広がる機械を出してくれたら、ホールも文句はないだろう。

勝っても負けても数千円。こんな機械で遊技人口が3000万人に戻れば万々歳だ。



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生き残れば未来がある?

倒産情報のJCNETに次のような情報が掲載された。

パチンコ・パチスロ機の映像企画制作の(株)クロスポイント(東京都港区三田)は3月29日、東京地方裁判所において、破産手続きの開始決定を受けた。破産管財人には、福岡真之介弁護が選任されている。

同社は平成14年2月設立のパチンコ・パチスロ機の映像の企画・制作会社。以前は4億円以上の売上高を計上していたが、IRカジノを優先させる国の政策でパチンコ業界を大幅縮小させる規制強化が続き、パチンコ業界は衰退を続けており、パチンコ業界の新規投資は限られ、新たに導入される機器も販売台数は伸びず、受注も売上高も大幅に減っていた。

以上引用終わり

同社の業務内容を求人欄から探ってみた。

「遊技機開発プロジェクトにおいて、映像制作に携わっていただきます。 AfterEffectsや専用ツールを使っての映像編集・エフェクトなど、 遊技機特有のプレイヤーを惹きつける映像演出の制作が主な業務です」

メーカーの下請けで映像制作の部分だけを担当していたことが分かる。

メーカーが開発本数を絞り込み、開発予算を削減した煽りを受ける形で、下請けの制作会社は同社だけでなく、バタバタと潰れている。しかし、下請けが全部潰れるわけではない。優秀な会社は生き残る。

「スロット、パチンコともに内規が撤廃され、新基準機の開発にドライブがかかっています。案件は埋まっているので開発会社としては喜ばしいことです。後2年間で新基準機に入れ替えなければならないので、需要はありますが、2年後のことを考えるといいかどうかは分からない。メーカーはキラーコンテンツがメインです。下から上がった企画に『何台売れる』と詰問されると企画はボツ。チャレンジしなくなった。大都は外注には出さないがリゼロのように最初から売れる機械を出してくる」と複雑な心境を露呈するのは開発会社の関係者。

メーカーの開発本数が減ったことで下請けの開発会社の淘汰も進んでいるが、生き残れば、次の道も拓ける、というもの。

それはホールにも当て嵌まる。今は猛烈な勢いで閉店ラッシュが続いているが、底を打ったときに生き残っていれば勝ちだ。

「ホールは遊技人口が減って経営が苦しいが、ホールは人を使わなくても済むようになる業種なので、適正軒数になったら安定して経営できる」(エコノミスト)

このまま遊技人口が下がり続けたのでは適正軒数もあったものではない。遊技人口が増えるかどうかはメーカーのイノベーションにかかっている。




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