発端はフジテレビ側が代理店経由で「女性が尻で踏みつけるのはセクハラに当たるので、クレームが出た場合は素材を差し替える」とハズキルーペ側に申し出たこと。
これに対して、ハズキルーペの松村謙三会長は、フジテレビ側から申し出があり、フジテレビからCMを引き上げることは認めた上で「本当の理由は視聴率が悪いから」と述べている。
ハズキルーペは1万円ほどの商品に年間100億円も広告宣伝費をかけているが、その狙いはコピー商品を排除するためだ。
DIMEの取材で次のように答えている。
「不正競争防止法を適用するためには、著名性を獲得しないとダメです。CMを大量に打ったのは著名性を獲得するためでもあります。裁判官がハズキルーペを知らなければ、不正競争防止法で相手を叩くなど、無意味になります。裁判官がハズキルーペを知っていなければ、差し止め訴訟を打っても勝ち目はありません。裁判官が知っているほどの著名性が必要なのです。全国だれもが知っているインパクトのあるCMは、同時に裁判官の認知を得るためのCMでもあったのです」
テレビ局各局とも広告収入が落ち込む中で、ハズキルーペの広告を失うことは痛手である。
在京キー局関係者が広告事情を打ち明ける。
「ハズキルーペはかつての遊技機メーカーのような太いクライアントです。遊技機メーカーは新機種が出るたびに、黙っていても新作広告を出してくれた。今でも広告代理店は、上位の遊技機メーカーはおカネを持っていると思っているので、何とかおカネを引き出したいと企画を練っていますよ。新機種のCMでも、依存症で叩かれないCMを考えるのが広告代理店の役目です」
メーカーから広告を引き出す他に、今、広告代理店が狙っているのがホールだ。
「ホールが広告を打てるまたともないチャンスが来年4月からの全面禁煙化です。タバコの煙や臭いがダメなお客様にホールがクリーンになった、ということをアピールできるチャンスです。煙モクモクのイメージがなくなれば、パチンコを打ちたいと思う方も少なからずいるはずです。ホールの空気環境がきれいになったことをイメージ戦略の一環として打ち出すことを推してくるはずです」
全国で一斉に禁煙化になるので、ここは全日遊連あたりがテレビCMを打つのも一考だろう。

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