等価交換の10割分岐も非等価の11割分岐もほとんど差はない。スタートをぶん回し、出玉で還元しようと思えば最低でも14割分岐営業ぐらいでないと、出玉感は体感できない。11割分岐では焼け石に水だ。
ハンドルネーム「元パチンカー」さんは、軍団が押し掛けることもなく、地元の常連客しか来ないようなホールで打っていた。
「ここ数ヶ月全く勝てません。換金して帰れる日がほとんどありません。釘が芳しくないということもありますが、かろうじて回せても当たらない、続かない。以前よく見かけた常連の顔もかなり減りました。私も何だかんだ言ってパチンコが好きなので負けながらも遊んできましたが、もう限界です」と悲痛な声を挙げる。
これこそが等価交換がもたらした弊害というものだ。ボディーブローは着実にユーザーに効いている。フラフラでダウン寸前。11割営業を含む高価交換では現状を打開することはできない。
業界が等価に舵を切る時、現場の店長や釘師は等価交換については異口同音に反対していた。
反対の理由は調整のレンジ幅が非常に狭いために、玉を出して遊ばせる営業ができなくなることを危惧した。現場の反対も虚しく、業界は横並び方式的に等価交換へと突き進んだ。
「1万円使って9000円まで取り返したら、プラスにもっていきたいと大方の人が考えます。そこで再投資して勝てれば万々歳。負けたら『あそこでやめておけば』になる訳ですが、ここがポイント。自分の立ち回りが原因で負けた場合は、また来ようという気になる。 そして次勝てればよし、負けるかもしれない(笑)そんなギリギリの攻防の中で店が利益を得るのでは。そしてこの中には換金ギャップも含まれると思います。客が望む台は『負けたけど楽しい』ではなく『負けた、悔しい、でも面白い』台です。そしてそこには『次は勝てるかも』という要素が付いてくる。で、この『次は勝てるかも』と思わせる投資額が以前より明らかに減っている事に気付かないといけない」(週休三日さん)
これはユーザー心理の一つだが、勝ち負けのギリギリの攻防の中に換金ギャップがなくなってしまったことが、勝敗率を極めて低いものにした。
この意見に対してメイン基板さんがこうフォローする。
「共感します。本質ついていますよね。プレイヤーの中で当たって飲まれての山谷があってストーリーが生まれるから良いのですよ。当たりを引けないで終わる日は失望し、それが続けば絶望する。換金ギャップの無い等価交換が前提では、プレイヤーの差玉を演出する事が難しいと思いますね」
等価交換はそもそも大衆娯楽ではない。ミニギャンブルである。換金ギャップは先代が考案した三方一両得だった。換金ギャップで三方一両得になるのは14割営業以上だ。

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