パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

40玉時代が一番よかった

秋田、岩手県のホールオーナーの夢は、地元を諦めて、東北随一の大都会である仙台へ出店することだ。

今の現状を聞けば納得する。

「320万円の人件費を払うのもきつい。そのためには1日100万円の売り上げが必要になるが、それが達成できなければ、人を削るしかない。簡単に削れるのが人件費。機械はチェーン店移動の中古。それでも釘が閉まるのだから、衰退の一途。打つ手がない」

これは300台クラスの店舗の話なのだが、どれぐらい酷い状態なのか4円全盛期のころと比較してみれば分かりやすい。

業界が元気なころは、300台クラスのホールでも1日の売り上げは1000万円はあった。1000台の店では1日で1億円を売り上げたホールもあった。

1円が主流になった今は、300台のホールなら1日の売り上げは300~400万といったレベルだから、1日100万円というのは、もう、店を閉じた方がいい、というレベルでもある。

「売りに出したところで東北では買い手もつかない。廃業する前に借金をゼロにしたい。オーナーは仙台がダメなら東京へ出店したい、といっているが口だけで終わっている」

隣の芝生は青い。

人口が一極集中する東京を夢見て、地方から出店しているホールも少なくないが、東京だからといって全部が全部成功するわけではない。特に居抜き物件はそれなりの理由を抱えている。

「等価にして業界が終わったことが今になって分かった。40玉交換なら出せる台を作ることもできた。等価で回したらプロに抜かれるだけ」

遊技産業健全化機構が、パチンコ台の入賞口が極端に曲げられていないかの検査を開始して1カ月以上が経過した。

ベースを下げるために行っているホールも少なくないが、一段と釘曲げに厳しい目が光る。

業界全体で一斉に40玉に戻せば、一般入賞口を塞ぐ必要もない、というもの。

このホール関係者は貯玉システムが等価営業から脱却できない足かせになっている、と指摘する。

「等価から33玉ぐらいに変更したいが、一旦清算する煩わしさがあり、おカネもかかる。今まで便利と思って使っていたものが、等価から脱却できない原因になっている。貯玉システムを導入していなかったら交換率も簡単に変更できたのに」と悔やむ。

で、結論は40玉時代が「ホールもメーカーも潤って一番よかった」。

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1時間で使う金額が定額制なら新規客は狙える?

中国株の暴落で日本の株式市場もその影響をもろに受けている。日経平均株価が2万円を割り、中でも爆買いの対象である百貨店、家電量販店、ドラッグストアー銘柄が全面安となった。

「中国株の暴落は証券業界としては前から予測して織り込み済みのことなので、さほど心配はしていません。今は調整局面だが、中国には13億人の人口があるので、いずれ盛り返すと思っています。それよりも心配なのは日本の政策。アベノミクスの恩恵を受けているのは大企業へ勤めている一部の人で、国民の9割はまだ恩恵を受けていない。国内でおカネを使わせるには、パチンコや競馬のように使う金額が青天井のような業種は厳しい。今は使用金額の上限が分かるものが受ける」と話すのは証券アナリスト。

パチンコやゲームセンターは同じ風俗営業種だが、いずれも勝ち負けを競うもので、7号と8号の違いは、勝敗の結果におカネが関わるかどうかだ。

遊んで終わりのゲームセンターに対して、パチンコは勝てばおカネになる。パチンコの強味は換金性があるところであることは誰もが認めるところだ。

逆な見方をすれば、換金がなくなれば、ゲームセンターと一緒になり一気に客はいなくなる、と業界人は考えている。

「パチンコは換金があるから面白い、というのはパチンコをやったことのある人の観点であって、本当に面白い遊びならリターンがなくてもやっていける。それが今はスマホゲームだ。新しい客を掴みたいのなら、そのぐらいの発想の転換が必要。ラウンドワンは1時間1500円ぐらいで色々なゲームを楽しむことができる。パチンコも1時間1000円で遊べるぐらいの発想が必要だが、そこには本当に面白いものでなければならない。ゲームより面白くないからパチンコをやらない。ゲームより面白いものを作ればいいだけのこと」(同)

簡単そうにさらりと言ってのける。

キーワードは1時間で使う金が決まっていることによる「安心感」がなければ、新規客を呼び込むのは難しい、ということだ。

そうなるとゲームセンターとの違いがなくなる。その辺を含めての発想の転換となる。

おりしも、警察は本来の遊技に戻すべく、MAX機、ART機規制で射幸性の高い機械を市場から排除にかかっている。

お客におカネを使わせないように、パチンコのベースを上げる指導も入った。

「パチンコ業界をちゃんと取り締まれない警察にカジノの取り締まりはできない。そんな烙印を押されないためにも警察は必死。カジノの監督官庁になるためにも、徹底的に指導するはずですから、甘く見たら大変なことになる。甘く見たところを潰すのが狙い」(一般誌記者)

カジノさえなければ、ここまで厳しくはなかった?


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故岩田社長追悼。メーカーは任天堂哲学に学べ

任天堂の岩田聡社長が55歳の若さで亡くなられた。自らがゲームを開発する天才肌の経営者ともいわれた。

独創的な発想を形にするプログラミング力が脳を鍛える「脳トレ」や家庭で気軽にフィットネスができる「Wiiフィット」を生み、それまでゲームに馴染みのなかった層を取り込み、ゲーム人口を増やすことにも貢献した。

かつて同時期に発売された「Wii」と「プレイステーション3」の違いについて、岩田氏は次のように語っている。

「私たちが戦っているのは『PS3』のような機械ではありません。ゲームに興味がない人たちに、興味を持ってもらうには何が必要かを考えて『Wii』を作ってきました。今あるゲーム機の10倍パワーを持ったゲーム機が登場したとして、それを自分は認知できても、家族は使いこなせるでしょうか。違いの分かる人だけを相手にするのは危険です。お客さんが興味を持つのは(映像が)きれいだからではなく、提案するゲーム機の内容が分かりやすく、面白いかどうか。従来の延長に答えはない。そう考え、非連続なものを作ろうと決めました」

岩田氏の経営判断の理念がこれだ。

「性能だけを追い求めると、ゲーム市場は縮小してしまう。興味のない人にいかに遊んでもらうかが重要」

この理念の下に「脳トレ」や「ウィーフィット」は生まれた。

パチンコ業界の遊技機の開発の仕方は、マニアックになりすぎてじり貧になって行ったPS3の姿とオーバーラップする。

「PS3のウリは映画を見ているようなリアルなCGだった。そのために開発費に占めるグラフィックスのコストが倍々ゲームで跳ね上がり、本来のゲーム性にかけるコストが削減され、ゲームの質が落ちた。ゲーム自体がつまらなくなってしまった。なぜ、パチンコ業界は任天堂の成功、ソニーの失敗をなぜ学ぼうとしないのか!」と話のは元スロットメーカー関係者。

今業界が突き進んでいるのがソニーのPS3路線だ。

ゲームとパチンコは違う、と前置きした上で、この元関係者はパチンコの開発のヒントをこう示唆する。

「ゲームは頑張ればクリアできる。将棋は強い人が100%勝つ。マージャンは運と実力。ところがパチンコやパチスロは釘を読む、設定を読むというプロセスがあるが、勉強する要素が小さい。ゲームとしての奥の深さが浅い。310個ある出目のサイコロを振っているようなもので、達成感、成長感が感じられない。そこにトバクという禁断の果実を入れて、面白い、と錯覚させているだけ。将棋は頑張れば強くなれるが、パチンコは頑張っても強くなれない」

サイコロを振るだけのゲーム性から脱却し、女性客でも興味を持つような機械を開発しないことには市場規模は先細るばかりだ。


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インベーダーゲームのようにサラリーマンが熱狂する機械が業界を救う?

業界にも造詣の深いシンクタンクの研究員は、業界の将来予測をこう読む。

「縮小傾向にある業界が復活することは絶対に無理」

改めてこんなことをいわれると、業界で働く人に希望の光もない。

大阪のユニバーサルスタジオジャパンは、去る2月20日、2014年度の入場者数が過去最高を記録した。これまでの最高は開業直後の2001年度の1102万9000人。

昨年7月に開業した映画「ハリー・ポッター」の世界を再現したエリアが人気を集め、月間入場者数は同月から7カ月連続で過去最高を更新した。今年度は最終的に1200万人超えを見込んでいる。

同じ余暇産業であるUSJは好調な客足から6年連続で1デーパスの値上げを行っている。ことし1月30日には220円値上げして大人の1デーパスは7200円になった。

6年連続で値上げに踏み切っている理由は、値上げ分でアトラクションの拡充を図る狙いがある。1月には期間限定で話題の「進撃の巨人」、7月3日からは恒例の夏アトラクショントとして「妖怪ウォッチ・ザ・リアル」が初登場した。

この先5年分のアトラクション計画が進んでおり、何度来ても飽きないようにリピーターをつなぎとめる作戦だ。

これは、パチンコにも相通じるところがある。それはいうまでもなく、新台の投入だ。常に新台を導入することでユーザーを飽きさせないようにしているつもりだが、今や新台効果も薄れるばかりだ。

「パチンコは全国にあるので、テーマーパークのように底上げすることはできない。パチンコが復活するには景気回復しかないが、もう一つはメーカーがインベーダーゲームのような、日本国民を熱狂させたような機械を作らないことには無理。メーカーが社運を賭けて開発してみろ、といいたい。今、パチンコをしている人はおカネにシビアではない人、年金や生活保護を全部使う、いわゆる宵越しのおカネは持たない人しか残っていない。利口なお客はパチンコはしない」と手厳し。

この研究員が求めるのは普通のサラリーマンが打てる機械の開発だ。それも従来の発想ではなく、革新的で熱狂する機械だ。

今の新台は金太郎飴で、液晶のキャラクターが違うだけだ。そんな機械に飽きた人たちもパチンコから足を洗ったことにメーカーは気づかなければいけない。

メーカーは自社さえ儲かればいい、という考えだが、ホールが潰れて行けば、やがてはメーカーも潰れることになる。

回って当たりが早く来れば、客が喜ぶという考えがメーカーにはあるから、1個返しというとんでもない発想が生まれる。

1個返しでもベースが高いのならともかく、カネを使わせる発想から脱却しなければ、お客さんは戻ってこない。

USJが好調な理由は入場料の7200円に見合う楽しさがあるからだ。楽しいからおカネを払うのであって、楽しくないものにはおカネは払わない。


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形骸化した中古機の“保証書”

現在、パチンコの不正釘曲げ問題がニュースになっているが、やはり、パチンコやスロット台の製造業者でなければ、公安委員会の検定を受けた遊技機と同一であるかの確認とその保証ができないことが明らになったのではないか。

ROMなどの電子部品の不正改造を防止するため、封印シールやカシメによって改造することの防止策として実施してきたが、設置店の移動や転売のため中古機として流通させる場合、遊技機販売会社などの取扱主任者が目視で封印やカシメ、配線等を確認し、これに異常がなければ検定機と同じとして、再使用(中古機)できるための遊技機に対する保証書を商業組合(販売会社団体)が発行してきた。

今回のように、釘曲げの大胆かつ継続的に不正機を設置し営業しているような疑いが生じた場合、検定機かそうでないかの判別は販売会社ではスキル的に困難である。

パチンコ台の“その釘”が検定を受けた遊技機に属するかは、高度な技術的知見が必要となってくる。

その遊技機を作った製造業者でしか本当の意味で“保証”をするができない。

この中古機に関する保証書発行システムは、書類代金コストの軽減やスピーディーな書類発行が可能となり、生ずる手数料には商業組合の収入ともなる制度だ。

新台のようにメーカーが保証書を発行することに比べ、コスト面や手続き面においてメリットがあることから、ホール組合が強く要望し、ご当局が承認した制度である。

しかしながら、この便利なシステムであるが、今回のような不正釘曲げ問題となるとこのシステムは機能しないことが明らかになった。

今後は、

・新台のようにメーカーが保証する。

・取扱主任者が各遊技台の検定釘の見分け方も含めその責任においてチェックする。

の選択が迫られる。

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