パチンコ日報

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パチンコを輸出したいと考えた経産省官僚

経済産業省の前身は通商産業省で、“日本株式会社”の司令塔として、高度経済成長をけん引してきた。中央省庁の再編により2001年から現在の名称に変わったが、経産省の仕事の中には輸出入の増進(15号)がある。



パチンコ好きの経産官僚の一人が、日本独自の文化で他国にはないパチンコを輸出の目玉にすることを考えたことがある。



新幹線や原子力発電所の輸出も行っているが、海外には強力なライバルいる。ライバルを蹴落として受注するには、それなりにおカネも労力も使わなければいけない。



パチンコにはクールジャパンの象徴であるアニメ版権も使われている。さらにパチンコ機は特許の塊なので、なかなか真似されることもない。何よりも海外に競争相手がいない。価格競争に巻き込まれることもないために、輸出産業の目玉になることが考えられた。



日本で娯楽産業として定着したパチンコを世界に広めることを政府が本腰を上げて取り組んだらパチンコメーカーには一筋の光明が射す。



ところが、メーカーの所管は警察庁だ。警察庁は違反を取り締まることが仕事で、産業を発展させることではない。パチンコメーカーの所管が経産省だったら、パチンコはもっと違った形で発展した可能性があるが、話はそれ以上前進することはなかった。メーカーも含めて在日産業というのが反対理由だった。



メーカーの指向性としては海外のカジノへパチンコを売り込むことだろう。2010年には京楽がマカオで開催されたグローバル・ゲーミング・エキスポにパチンコ機を出展したことがあるが、もたもたしているメーカーを尻目に、ダイナムの勢いは凄まじい。



2013年6月にはカジノ運営のノウハウを吸収するために、マカオでカジノを運営するレジェンド社に出資したのを皮切りに、11月にはシンガポールのオンラインゲームソフト開発会社へ出資。同社が開発した釘や玉がない次世代パチンコ機のライセンスを取得して、レジェンド社のカジノへ設置することを目指している。



カジノに設置しようと思えば、釘調整を必要とするパチンコではライセンスも下りにくいだろう。パチンコをカジノで広めるには、ビデオゲームというのが順当なのかも知れない。



そうなるとパチンコメーカーよりもゲームソフト会社の方が有利になる。パチンコを輸出するという経産省官僚の思惑からもかなりずれたものになってくる。



現行のパチンコ機をそのまま輸出するには、カジノ以外の場所、ゲームセンターでの設置ということになってくる。



ただ、おカネを賭けないパチンコは、すぐに飽きられてしまう。





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時事雑感

ホール現場からの悲鳴が聞こえてくる。



そのホールは9時開店、23時閉店の営業時間だった。朝一と夜の稼働が伸びなくなってもう何年も経つ。



「人件費削減のために、10時開店で22時閉店にする。特に、22時以降は時給が25%上がる。お客さんもいないのに営業時間を長くしても無駄になった」(ホールオーナ)



お客さんもいないのに、営業時間を延ばしたところで、人件費と電気代がかかるだけだ。そこまで状況は切迫している。特に、元々、都会に比べて遊技人口が少ない地方は重症で、これまで色々な方法を試みたが、万策尽きて集客方法も手詰まり状態だ。業界人では思いつかない集客方法をノドから手が出るほど欲しがっている。



集客方法が思い浮かばないのは、仕方ない。今のようにカネのかかる現状の機械を新規ユーザーに打たせることに自体に問題がある。



それは新規ユーザーだけではない。根っからのパチンコファンだったAさんは、60歳で会社を定年退職。その後嘱託で5年働き、やっと年金が受給される年になった。



「月のパチンコ代予算は1万円。1パチをやっているが、とても1万円では足らない。予算がオーバーしたら今はへそくりを使っているが、それもやがては枯渇する。老後の楽しみはパチンコだったのに、年金だけでは暮らせない」とすっかり予定が狂ったようだ。



根っからパチンコ好きのAさんのようなお客さんをも、今のままでは逃して行くことになる。



業界はおカネのかかり過ぎる遊技から早急に脱却しなければならない。そこで、三洋はユーザーの不満の中で一番多かったスタートが回らない機械のアンチテーゼとして、まわるんパチンコの第2弾、大海3をリリースした。これで玉持ちがよくておカネを使わない機械に仕上がっていることを期待するとして、新手の機械代のコスト削減を考えているホールオーナーもいる。



「パチンコ1台の権利を人に売りたい。例えば、機械代1台分、35万円を投資してもらう。利益をホールと折半する。うちは300台の小さな店なので、機械代を削減するために、投資家を集めたい。ヒット機種はうちで買い、人気のない機械に投資してもらえればありがたい。お互いプラスになることをやりたい」



人気のある機械は自分で買い、人気のない機械は投資家を集める。人気のない機械に誰が投資するのか、といいたい。



最後に粗利目標を会社からあまりうるさく言われないホールの話で〆よう。



そのホールは等価交換でAKB2を導入した。



「甘く使えば、お客さんは喜んで粘ってくれるので、稼働は上がります。お客さんからも『よく回って楽しい』といっていただけます」(店長)



等価営業ながらスタートは甘く使い、それでいて利益は出している。



「当たる前にストレスを与えないこと。当たってから削られているのは気づくけど、まず、スタートを回せばお客さんは納得してくれます」(同)



粗利目標をうるさく言われないので、伸び伸び営業できるから、当たり前のことが当たり前にできる、ということだ。その当たり前のことができなくなったホールがあまりにも多すぎる。





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無印玉を使う理由と拘り

パチンコ玉には店名などの刻印を入れる。それは他店玉と区別するためだ。



今から30年ほど前にパチンコ業界へ参入したホールは、なぜか刻印玉を使わなかった。そのスタイルは今でも変わらない。



刻印を入れなければ、それだけ玉の単価は安くなる。



でも、そんな理由で刻印玉を使わないのではない。



理由は刻印が入ると真球にならない、というのがその理由だった。



計数管理と釘には昔から徹底してこだわった。そのための研究室もあるほどで、垂直上3度、並行釘、風車、バラ釘まできれいに揃えた。



苦労してゲージを徹底的に揃えても、玉が真球でなければ、データが揃わない。それなら刻印は不要、とミクロの単位まで拘ったのである。



玉の真球に拘るということは、研磨にも拘った。



同ホールでは布ベルトを使っていた。玉を研磨する能力はペレットより布の方が優れていた。ただ、ネックはベルトのコストだった。



ベルトのクリーニング代が結構高くつくのだ。



玉が汚れているとトイに玉が詰まって補給止まりの原因にもなる。そこで、本部の指示は「汚れていなくても毎日交換」だった。



稼働の高い店は1日でもすぐに汚れるが、稼働の低い店だとそう汚れることもないが、稼働が低くて、そんなに汚れてなくても毎日交換だった。



同ホールのチェーンでは、島上の清掃も毎日の日課だった。



埃は上から下へと降りてくる。ホールで一番上といえば、島の天井。まず、ここに埃がたまるので、島の上を毎日掃除することはマニュアルで決まっていた。



真球と埃、汚れ対策の次は、島の傾斜角度にも目を向けた。1台ごとの傾斜角度がバラバラでは、せっかく、ゲージを揃えてもデータは揃わなくなるからだ。



一発機がある頃は、特にゲージには自信を持っていた。クルーンへ入らないと話にならないが、大抵のホールはクルーンに入る飛び込みを殺したものだが、クルーンによく入るように調整した。



クルーンの中でクルクル玉が回る時のハラハラドキドキ感をお客は楽しんだものだ。クルーンによく入れば、お客さんは必然的にその店の一発台で打つことになる。



この時のノウハウを始め、日ごろの釘も担当者は全員が共有していた。人事異動で店長が転勤して、新しい店で釘に悩むことはなかった。基本釘が決まっていて、前任の店長のクセというもの自体がないからだ。



そういう下地があるので、アビリットがくらげっちを発売した時は、大量導入した。



今でも拘りは忘れていない。



同社のテレビCMにそれがよく表れている。



顕微鏡を見ながら、社員が一心不乱で玉を磨いている。





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押忍!サラリーマン番​長の導入からみる新台​ニーズの低下

9月7日の日曜日の閉店後に、うちのお店にしては大量の押忍!サラリーマン番長10台が届きました。



新台の匂いのする段ボールを開け、新台の設置作業にとりかかりました。機械は重量があり、設置作業自体は重労働ですが、心地よい汗と共に何かワクワク感があります。



深夜遅くまで設置作業をしていましたが、眠い目を擦りながら、若干の筋肉痛を我慢して、いつもプライベートで打っているお店に9時50分からの押忍!サラリーマン番長の抽選へと向かいました。



普段の新台入れ替えの抽選人数は15名前後ですが、今回の押忍!サラリーマン番長は13台と多めの入れ替えと押忍!サラリーマン番長がビッグコンテンツなので、ものすごい並びかと思いきや意外に少ない26名。



ちなみに、3年前の押忍!番長2の時のこのお店の並びが10台導入に対して40名でしたので、押忍!番長2ほどの集客力はなかった。



抽選番号はなんと26名中の26番。



急いで近隣のお店に行くと、押忍!サラリーマン番長15台のところに、15番目に入場が出来、何とかラスト1台に座ることができました。



新台はどんな機械なんだろうという期待感やワクワク感があり、なんとも言えない感覚がありますが、押忍!サラリーマン番長が初日から座れることは、明らかに新台ニーズが低下しています。



打った感想としては、純増2.8枚なので、吉宗や秘宝伝のイメージに近いかと思っていましたが、どちらかというと純増2.0枚の押忍!番長2を純増2.8枚にスペックアップした良いイメージを持ちましたが、新台に対する期待感が薄れてきていて、集客力が弱くなっているにもかかわらず、導入台数が多いので、供給過多だと思います。



押忍!サラリーマン番長自体の出来はまずまずでしたが、押忍!番長2の時に感じたずば抜けた印象はなく、吉宗や秘宝伝と同じく疑似ボーナス経由からのATがメインになるので、厳しいスペックになります。



総評としては、可もなく不可もない評価になりますが、遊技人口の減少や新台ニーズが落ちていることを押忍!サラリーマン番長の入れ替えでひしひしと感じました。



超ビッグコンテンツである押忍!サラリーマン番長でもあまり集客力がないので、これからは新台入れ替えのあり方を考え直さなければならない。





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スロット開発者の独白

AT,ART規制は一般ユーザーはむしろ歓迎ムードだった、というコメントを読んで、複雑な思いをしているのがスロットメーカーの開発担当者だ。



「純増3枚はお客さんも十分納得してくれている。1枚台では納得しない。われわれはルールの中でスロットを面白くしてきた。自分が打つ場合はどんな機械がいいかを想定して作ってきた。他社のARTも参考になった。過激な機械を作らないとお客さんはおカネを入れてくれない。ヘビーユーザーには必要な機械だった。若い人もARTは追っかけてくれた。悪気があって高純増機を作ったわけではない」と吐露する。



先日、あるチェーン店を8店舗視察した。平日だったがスロットコーナーで、8店舗とも一番賑わっていたコーナーはハナハナシリーズのコーナーとジャグラー、パルサー系だった。スロットの強い店舗ではそこそこついていたが、押しなべてART系のコーナーはどの店舗も閑散としていた。



つまり、メーカーが競って開発した純増3枚の機械は、ヘビーユーザーを満足させるものだったかも知れないが、現実問題として、きつい機械にはついて来れないのである。



日工組メーカーに比べると日電協メーカーは、組合の生い立ちを見れば分かるように、モノづくりの考え方が違う。それがサブ基盤問題だ。



サブ基盤は本来演出に特化したものとして認められたのに、抜け穴を見つけて出玉に関わる演出を行ったのがAT,ARTだった。



保通協の適合率を見れば一目瞭然だ。直近の8月は、パチンコは結果書交付48件に対し適合39件、適合率81.3%だったのに対して、スロットは結果書交付49件に対し適合21件、適合率42.9%であった。



スロットの適合率が低いのは、未だに抜け穴を模索していることの表れか?



「スロットも自主規制という名の下にルール作りをやってきたが、日電協メーカーは上から強制的にいわれないとやれない体質がある。ガチガチにしてもらってそれに合わせた機械を作るしかない」とは日工組系のスロット担当者。



会社の命令は売り上げの上がる機械を作ることが多い。その結果が高純増枚数競争に向かわせた。



「ARTや確変そのものがインチキ、という開発者もいる。スロットは純粋なAタイプでやればいい。5年後を考えて、良かった、といわれるのが僕らの使命。今度こそ面白い機械を作らないとスロットだけでなく、パチンコも終わる」(同)



開発現場のモチベーションがあるうちに、トップは射幸性からゲーム性に舵を切らないといけないことは明白だ。





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