3カ月間、新台は一切買わない。その代り、浮いた機械代は、営業に回す。ズバリ粗利は8%で営業する。
最近は一部ホールでは粗利40%以上も取ってしまうケースもあり、客離れが加速するのも当然だが、8%がいかに薄利かが分かる。
ところが、薄利営業の効果はすぐには出なかった。
結果がやっと出たのは3カ月目だったが、この時の上がり方は現場の店長も驚いた。V字回復ということばがぴったりの稼働の上がり方だった。
「機種構成さえよければ、新台を導入しなくてもお客様が付くことを実感しました。海物語は回せば確実に稼働が上がります」と話すのは同ホールの店長。
ただし、パチンコ・スロット共に薄利で営業しているのに、スロットの方は効果が出ていない、という。パチンコは打てば回るかどうかはすぐに分かるが、スロットの場合は1000円打っただけでは、高設定台かどうかは分からない。
3カ月が過ぎたところで、平常営業に戻さなければいけない。
今回ばかりは、せっかく上がった稼働を落とすわけには行かない。ガツンと締めれば、すぐに客が飛ぶのは目に見えている。
徐々に体感では分からない程度に締めたり、開けたりを繰り返した。稼働がすぐに落ちることはなかった。
薄利で営業してみて見えてきたことがあった。それは時代の移り変わりを感じさせることでもあった。
「昔は『あの店は出している』という噂が、口コミで広まったものですが、最近はいい台は自分だけのものにしてしまうので、口コミが効かない、ということです。おいしい情報をわざわざ他人には教えない。いい台は自分だけで打ちたい。だから、稼働が上がるのに3カ月もかかったのだと思います。口コミが効かないとなると新規客を集客することもできません。出玉を体感してもらうしかありません」と頭を悩ます。
店頭に粗利表示器でも取り付けていれば分かりやすいが、いまどき、粗利8%で営業しているホールを探す方が大変な時代かも知れない。
ただ、一桁台の粗利で営業すれば、まだまだお客さんは反応することは、実証された。まだパチンコは捨てたものではない。むしろ、回せば客は戻ってくることに自信を持った方がいい。

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